SaySayLaw無料で演習する

平成22年 司法試験 短答式 刑法 第4問 解説

問題

正当防衛に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
  1. ①相手方による侵害を予期している者が,その侵害から自己の権利を防衛するには侵害に先んじて相手方に加害行為をすることが効果的な状況において,相手方による侵害が間近に押し迫る前に加害行為をした場合,正当防衛が成立する余地はない。正解
  2. ②相手方による侵害を予期していた者が,それを避けずにその侵害に臨み,予期された侵害に対し反撃した場合,正当防衛が成立する余地はない。
  3. ③相手方を挑発して相手方による侵害を自ら招いた者が,それに対し反撃した場合,正当防衛が成立する余地はない。
  4. ④いわゆるけんか闘争状態にある者が,相手方に対して加害行為をした場合,正当防衛が成立する余地はない。
  5. ⑤相手方による侵害に対し反撃した者が,その侵害から予想された被害よりも大きい被害を相手方に与えた場合,正当防衛が成立する余地はない。

解説

要点
正当防衛の急迫性は「侵害が現在するか間近に押し迫っていること」を意味し、予期された侵害がまだ切迫していない段階での先制加害には急迫性がなく正当防衛は成立しない。他方、予期・自招・喧嘩・結果の大小といった事情は一律に正当防衛の余地を奪うものではなく、行為全般の状況を踏まえた個別具体的判断による。

結論

選択肢1が正しい。刑法36条の正当防衛が成立するには「急迫不正の侵害」が存在することが必要であり、急迫性とは法益侵害が現に存在するか間近に押し迫っていることをいう。相手方の侵害がまだ間近に押し迫っていない段階で先制的に加害行為をした場合は、そもそも急迫性の要件を欠くため正当防衛の成立する余地はない。

この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
無料で始める

出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。