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平成22年 司法試験 短答式 刑法 第18問 解説

平22司法 第18問刑法強盗罪の過去問

問題

次のアからオまでの各記述における甲の罪責を判例の立場に従って検討した場合,誤っているものの個数を後記1から5までの中から選びなさい。 ア.甲が,財物奪取の意思で乙に脅迫を加えてその反抗を抑圧し,同人のポケットから財物を奪ったが,財物を奪われたことに乙が気付かなかった場合,強盗既遂罪(刑法第236条第1項)は成立しない。 イ.甲が,財物奪取の意思で乙の頭部を強打して意識を喪失させた上で乙の財物を奪った場合,昏酔強盗既遂罪(刑法第239条)が成立する。 ウ.甲が,乙から財物をだまし取って財物の占有を確保した後に,だまされたことに気付いた乙から上記財物の返還を要求され,その返還を免れるため,乙に対し,暴行を加えて財物の取戻し行為を抑圧した場合,強盗既遂罪(刑法第236条第1項)が成立する。 エ.甲が,乙を殺害した後に初めて財物奪取の意思を生じ,乙が身に付けていた腕時計をその場で奪った場合,強盗殺人既遂罪(刑法第240条後段)が成立する。 オ.甲が,財物奪取の意思で乙宅に乙の留守中に侵入し,乙の甥でたまたま留守番をしていた丙(15歳)に対し,暴行を加えてその反抗を抑圧し,タンス内から乙が所有し管理する衣類を奪った場合,強盗既遂罪(刑法第236条第1項)は成立しない。
  1. ①1個
  2. ②2個
  3. ③3個
  4. ④4個
  5. ⑤5個正解

解説

要点
強盗罪の成否は、①占有移転について被害者の認識は不要、②意識喪失が暴行によるか薬物等によるかで236条か239条かが分かれる、③詐取済み財物の返還拒否は新たな強取に当たらず1項強盗は成立しない(2項強盗の成否は別途議論)、④殺害後に初めて生じた奪取意思には強盗殺人罪は成立せず死者の占有に対する窃盗罪にとどまる、⑤暴行・脅迫の相手方は所有者でなくとも事実上の占有者であれば足りる、という各論点を正確に押さえること。

結論

ア〜オのいずれの記述も判例の立場からは誤りであり、誤っている個数は5個(選択肢5)である。各記述は、強盗罪の成立要件(占有移転に対する被害者の認識の要否、暴行と昏酔の区別、既得財物への返還拒否、死者の占有、暴行の相手方の要件)について、判例が採る結論と逆の結論を述べている。

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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。