SaySayLaw無料で演習する

平成22年 司法試験 短答式 刑法 第14問 解説

問題

責任能力に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
  1. ①責任能力の有無・程度は,行為者の犯行当時の精神状態だけではなく,行為者の犯行前の生活状況,犯行の動機・態様等のほか,被害者やその遺族の処罰感情も含む諸事情を総合的に考慮して判断される。
  2. ②相手を包丁で突き刺した時点では行為者に責任能力が存在するが,その相手が死亡した時点では責任能力が存在しない場合,行為者に死亡の結果について刑事責任を問うことはできない。
  3. ③13歳の少年であっても,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた場合においては,事件の重大性等の諸般の事情を考慮し,刑罰が科されることがある。
  4. ④アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させて人を負傷させた危険運転致傷事件の行為者については,この類型の危険運転致傷罪が運転者の飲酒酩酊を前提としているにもかかわらず,責任能力が否定されることがある。正解
  5. ⑤犯行当時の行為者が,心神喪失状態にあった場合は処罰されないが,心神耗弱状態にあった場合は必ずその刑が減軽又は免除される。

解説

要点
責任能力の有無は行為時の精神状態を中心に生物学的・心理学的要素から判断されるものであり、被害者の処罰感情は考慮要素ではない。心神耗弱は必要的減軽のみで免除はなく、13歳は刑法41条により刑罰を科されない。危険運転致傷罪の飲酒酩酊要件と責任能力の有無は別次元の問題であり、酩酊が高度であれば責任能力が否定される余地がある。

結論

選択肢4が正しい。危険運転致傷罪(アルコールの影響類型)は「正常な運転が困難な状態」で走行したことを構成要件としているが、これは責任能力の有無とは別の判断であり、酩酊の程度によっては心神喪失・心神耗弱として責任能力が否定されることがあり得る。

この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
無料で始める

出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。