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平成22年 司法試験 短答式 刑法 第15問 解説

平22司法 第15問刑法文書偽造罪の過去問

問題

次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか(ただし,甲は,「行使の目的」又は「人の財産上の事務処理を誤らせる目的」を有するものとする。)。
  1. ①司法警察員甲が,参考人乙に対する事情聴取を行ったところ,乙は客観的事実と異なる供述をした。甲は,同供述が客観的事実と異なることが分かったものの,乙の供述をそのまま録取した供述調書を作成し,これに自ら作成者として署名押印した。甲には,虚偽公文書作成罪が成立する。
  2. ②甲は,乙所有の建物の売買契約書を会員制クラブの入会申込書であると偽って乙に示し,乙をしてその旨誤信させてその売主欄に署名押印させた。甲には,有印私文書偽造罪の間接正犯が成立する。正解
  3. ③甲は,内容虚偽の旅券申請書を作成して旅券の交付を申請し,旅券の交付を受けた。甲には,詐欺罪が成立するので,免状等不実記載罪は成立しない。
  4. ④市立病院に勤務する公務員である医師甲が,同病院の医師として同病院の患者が裁判所に提出するための診断書を作成するに当たり,同診断書に虚偽の病名を記載した。医師である甲には,虚偽診断書等作成罪が成立するので,虚偽公文書作成罪は成立しない。
  5. ⑤甲は,乙から詐取した携帯電話機に保存された電子マネーを使って商品を購入し,同電話機に保存された電子マネーの残高を減少させた。甲には,支払用カード電磁的記録不正作出罪が成立する。

解説

要点
有形偽造か無形偽造かは「名義人の意思に基づく作成か」で決まる。名義人を欺いて署名させれば名義人の意思に反する作成=有形偽造の間接正犯となる。判例上、公務員が公文書として診断書を作成する場合は虚偽公文書作成罪が成立し、虚偽診断書等作成罪は成立しない。旅券の不正取得は刑法157条2項の免状等不実記載罪で処理され、詐欺罪は成立しない。

結論

正解は選択肢2である。甲が売買契約書を入会申込書であると偽って乙に署名押印させた行為は、乙の意思に基づかない文書を作成させたものであり、判例上、欺罔による名義人の意思に反する文書作成として有印私文書偽造罪の間接正犯が成立する。

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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。