平成22年 司法試験 短答式 刑法 第9問 解説
問題
背任罪の構成要件に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
- ①「自己若しくは第三者の利益を図る目的」の「利益」とは,経済的利益のことをいい,社会的地位や信用等の身分上の利益を含まない。
- ②「自己若しくは第三者の利益を図る目的」があるというためには,主として自己又は第三者の利益を図る目的があれば足りるが,これと本人の利益を図る目的とが併存している場合は含まない。
- ③「他人のためにその事務を処理する者」の「事務」は,法律行為たる事務に限らず,事実行為たる事務を含む。正解
- ④「財産上の損害」は,経済的見地から把握されるべきものであるから,返済の可能性が著しく低い無担保貸付けについては,その債務不履行が確定しなければ損害が発生したとはいえない。
- ⑤「本人に損害を加える目的」があるというためには,加害の点につき意欲ないし積極的認容が必要である。
解説
要点
背任罪の「事務」は法律行為・事実行為を問わず、図利加害目的は未必的認識で足り、本人の利益を図る目的と併存していても認められ、財産上の損害は経済的見地から実質的危険発生時に生じたと解される。
結論
正しいのは選択肢3である。背任罪(刑法247条)における「他人のためにその事務を処理する者」の「事務」は、法律行為たる事務に限られず、事実行為たる事務も含むというのが判例・通説の理解である。他の選択肢はいずれも背任罪の各構成要件要素についての判例の立場と整合しない。
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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
