令和8年 予備試験 短答式 民事訴訟法 第42問 解説
問題
処分権主義に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.原告が、事故により傷害を受けて被った損害について、不法行為による損害賠償請求権に基づき、被告に対し、休業損害500万円及び慰謝料500万円の合計1000万円の支払を求めて訴えを提起した場合において、裁判所は、休業損害を300万円の限度で認め、慰謝料を700万円認めるのが相当であると判断したときには、原告の請求を全部認容する判決をすることができる。
イ.原告が、ある債務につき、300万円を超える債務の不存在の確認を求める訴えを提起した場合において、裁判所は、500万円の債務が存在すると認めたときには、原告の請求を全部棄却する判決をすることができる。
ウ.共有物分割の訴えにおいて、原告が分割方法として現物分割を求めている場合には、裁判所は、現物分割により著しく当該共有物の価格を減少させるおそれがあるときであっても、当該共有物を現物分割する旨の判決をしなければならない。
エ.建物の賃貸人である原告が、賃借人である被告に対し、賃貸借契約の終了に基づき、300万円の立退料の支払と引換えに当該建物を明け渡すことを求めて訴えを提起した場合において、裁判所は、被告に対し、350万円の立退料の支払と引換えに当該建物を明け渡すことを命じる判決をすることはできない。
オ.筆界確定訴訟において、裁判所は、原告が主張する筆界よりも、原告に有利な筆界を定める判決をすることができる。
- ①ア エ
- ②ア オ正解
- ③イ ウ
- ④イ エ
- ⑤ウ オ
解説
要点
処分権主義(民訴法246条)は「質的・量的に申立てを超える判決の禁止」であり、訴訟物の捉え方(損害費目を一個とみるか)や、形式的形成訴訟(共有物分割・筆界確定)では申立てへの拘束が緩和される点を押さえる。引換給付の立退料は、申出額と格段の相違のない範囲で増額が許される。
結論
正しいのはアとオであり、選択肢2が正解である。アは同一事故から生じた財産的損害と精神的損害を一個の訴訟物とみる判例の立場から、内訳を超えて認定しても合計額の範囲内なら処分権主義に反しない。オは筆界確定訴訟が形式的形成訴訟であり、裁判所は当事者の主張する筆界に拘束されないという判例の趣旨に合致する。
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出典:法務省「令和8年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
