令和8年 予備試験 短答式 憲法 第11問 解説
問題
条約に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。
ア.条約の締結には国会の承認が必要であることから、条約の締結に先立ち衆議院が条約承認の議決をして参議院に議案を送付し、その後国会休会中の期間を除き30日以内に参議院が議決をしなかった場合には、内閣は条約を締結することができない。
イ.砂川事件判決(最高裁判所昭和34年12月16日大法廷判決、刑集13巻13号3225頁)は、憲法と条約の効力の優越関係に関して、憲法の最高法規性を定める憲法第98条第1項や違憲審査権を定める憲法第81条に条約が列挙されていないことを論拠の一つとする考え方には立脚していない。
ウ.憲法第98条第2項は条約を誠実に遵守すべきことを定めていることから、国会が承認し内閣が締結した条約は、天皇による公布を経なくとも国内法として実施が可能となる点で、法律と異なる。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○
- ④ア○ イ× ウ×
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×正解
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
条約締結の国会承認手続には憲法61条により60条2項(衆議院の優越)が準用されるため、参議院が30日以内に議決しなくても衆議院の議決が国会の議決となり内閣は締結できる。砂川事件判決は条約も一見極めて明白に違憲無効なら審査しうるとしており、81条等に条約が列挙されていないことを理由とする考え方には立脚していない。また条約の国内的効力発生には天皇の公布(7条1号)を要し、98条2項の誠実遵守義務は公布不要を意味しない。
結論
正解は選択肢6(ア× イ○ ウ×)である。条約承認には衆議院の優越(61条・60条2項準用)が働くため参議院が議決しなくても内閣は締結でき(ア誤り)、砂川事件判決は高度の政治性を理由に司法審査を限定しつつも一見極めて明白に違憲無効であれば審査しうるとしており、98条1項・81条に条約が列挙されていないことを論拠とする考え方には立脚していない(イ正しい)、条約も天皇の公布(7条1号)を経て初めて国内法として実施される(ウ誤り)という3点を押さえれば足りる。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「令和8年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
