令和8年 予備試験 短答式 刑事訴訟法 第24問 解説
問題
次のⅠ及びⅡの【見解】は、刑事訴訟法第220条第1項第2号及び同条第3項において、逮捕の現場における令状によらない捜索差押えが認められている根拠に関する考え方を述べたものである。これらの【見解】に関する後記アからオまでの【記述】のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。【見 解】Ⅰ.逮捕の現場や被逮捕者の身体及び所持品には被疑事実に関連する証拠が存在する蓋然性が一般的に高いので、合理的な証拠収集手段として認められる。Ⅱ.逮捕の際には被逮捕者等により証拠が隠滅されるおそれが大きいので、これを防止して証拠を保全する緊急の必要性があるために認められる。【記 述】
ア.Ⅰの見解に立つと、令状によらない捜索が認められる範囲は、被逮捕者の身体並びにその直接の支配下にある場所及び物件に限られることになる。
イ.Ⅰの見解に立つと、令状によらない捜索が開始された時点で、逮捕行為に着手している必要はないと考えることができる。
ウ.Ⅱの見解に立つと、令状によらない捜索差押えが認められるのは、現行犯逮捕や緊急逮捕の場合に限られ、通常逮捕の場合には認められないことになる。
エ.Ⅰ及びⅡの見解のいずれに立ったとしても、令状によらない差押えの対象には、逮捕の理由とされた被疑事実以外の事実に関する証拠物も含まれることになる。
オ.Ⅰ及びⅡの見解のいずれに立ったとしても、緊急逮捕に伴う令状によらない捜索差押えを実施した後、逮捕状が発付されなかった場合には、差押物は直ちにこれを還付しなければならない。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ エ
- ④イ オ正解
- ⑤ウ オ
解説
要点
逮捕に伴う無令状捜索差押え(220条)の根拠論は、証拠存在蓋然性説(相当説=Ⅰ)と緊急処分説(Ⅱ)で、捜索範囲・逮捕着手の要否の帰結が逆になる点を押さえる。範囲を限定し着手を要求するのは緊急処分説、逮捕着手前でも可とするのは蓋然性説。他方、緊急逮捕で逮捕状が得られなかった場合の還付義務(220条2項)は明文であり、いずれの見解でも共通する。
結論
正しいのはイとオであり、選択肢4が正解である。イは証拠存在の蓋然性説(見解Ⅰ)が逮捕行為着手の先後を問わず現場の証拠存在蓋然性のみを根拠とする立場であることから導かれ、オは緊急逮捕に伴う無令状差押えについて刑訴法220条2項が逮捕状が得られなかった場合の即時還付を明文で定めていることから、いずれの見解に立っても共通して導かれる。
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出典:法務省「令和8年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
