令和8年 予備試験 短答式 刑事訴訟法 第21問 解説
問題
次のⅠからⅢまでの【見解】は、刑事訴訟法第326条の同意(以下「同意」という。)の性質に関する考え方を述べたものである。これらの【見解】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。【見 解】Ⅰ.同意は、公判において供述者に対して反対尋問をする権利を放棄する訴訟行為である。Ⅱ.同意は、公判において証拠に対して証拠能力を付与する訴訟行為である。Ⅲ.同意は、原供述時において供述者に対して反対尋問をすることができなかったこと、又は原供述時において裁判所が供述者の供述態度を観察することができなかったことについて責問権を放棄する訴訟行為である。【記 述】
ア.Ⅰの見解に対しては、刑事訴訟法第326条第1項が被告人の供述調書を同意の対象としていることを説明することができないという批判がある。
イ.Ⅰの見解に対しては、捜索差押手続が違法であっても、同意によって同手続の捜索差押調書に証拠能力が付与されることになり不当であるという批判がある。
ウ.Ⅱの見解に対しては、伝聞証拠の証拠能力が否定される根拠と同意の性質が関連しなくなり、刑事訴訟法第326条が同法第320条第1項により証拠能力が否定される伝聞証拠について証拠能力を認める規定であることにそぐわないという批判がある。
エ.Ⅲの見解に対しては、直接主義の観点が欠落しているという批判がある。
オ.Ⅲの見解に対しては、検察官が請求した被告人以外の者の供述調書について、被告人側がそれを証拠とすることに同意した上で、その証明力を争うために供述者の証人尋問を請求することができないことになるという批判がある。
- ①ア ウ正解
- ②ア エ
- ③イ エ
- ④イ オ
- ⑤ウ オ
解説
要点
326条の同意の性質論(反対尋問権放棄説・証拠能力付与行為説・責問権放棄説)は、各説がどの局面(公判時か原供述時か)に着目するかを整理し、それぞれの説明力の限界(被告人供述調書、違法収集証拠、直接主義、後の証人尋問請求)を対応させて覚えると批判の当否が判定できる。
結論
正しい組合せはアとウであり、選択肢1が正解である。反対尋問権放棄説(Ⅰ)は被告人自身の供述調書に同意が要求される理由を説明できないという批判(ア)が妥当し、証拠能力付与行為説(Ⅱ)は伝聞法則の趣旨と同意の性質が切り離されてしまうという批判(ウ)が妥当する。
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出典:法務省「令和8年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
