令和7年 予備試験 短答式 刑法 第8問 解説
問題
学生A及びBは、【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑧までの( )内に、【語句群】から適切なものを入れた場合、正しいものの組合せは1から5までのうちどれか。なお、①から⑧までの( )内には、それぞれ異なるものが入る。【会 話】学生A.判例は、複写機による公文書のコピーについて、公文書偽造罪の客体になり得ることを(①)し、その場合の名義人を(②)としていますね。学生B.その判例に対しては、(③)という批判があります。学生A.市長の代決者である課長を補助する係長など補助公務員にも市長名義の公文書の作成権限が認められる場合があるかについて、(④)とした判例がありますね。学生B.その判例に対しては、(⑤)という批判があります。学生A.補助公務員が職務上起案を担当する文書につき虚偽のものを起案し、事情を知らない作成権限者である上司を利用して同文書を作成させた場合、判例は、(⑥)罪の間接正犯は(⑦)としていますね。学生B.公務員でない者が虚偽の申立てをして、事情を知らない公務員を利用して虚偽の公文書を作成させた場合、判例は、(⑧)罪の場合以外は(⑥)罪の間接正犯は処罰しないのが刑法の趣旨であると解するのが相当としていますね。【語句群】a.肯定 b.否定 c.原本作成名義人 d.コピー作成者e.原本のコピーは、写しとはいえ、原本と同一の意識内容を保有し、証明文書として原本と同様の社会的機能と信用性を有するものと認められるので、公文書偽造罪の客体とすべきであるf.コピーそれ自体を原本として行使する場合を除き、コピーの作成名義人はコピー作成者であり、コピーにはその記載を欠くので文書偽造罪にいう文書ということはできないg.補助公務員である以上、一律に作成権限を有することはないh.公文書の内容の正確性を確保することなど、その者への授権を基礎付ける一定の基本的な条件に従う限度において作成権限を有しているi.作成権限に一定の条件を付することは可能であるj.刑法が公文書偽造と虚偽公文書作成を区別している以上、文書の内容が正確ならば作成権限があるという解釈は、その建前に反するk.虚偽公文書作成 l.公正証書原本不実記載等m.成立し得る n.成立し得ない
- ①①a ④h ⑥k ⑦m正解
- ②①b ③e ⑤i ⑦n
- ③②c ⑤j ⑥l ⑧k
- ④②d ④g ⑦n ⑧k
- ⑤③f ⑤i ⑥k ⑧l
解説
要点
コピーの公文書偽造罪の客体性(原本作成名義人説)、補助公務員の限定的作成権限論、そして虚偽公文書作成罪の間接正犯は公務員が主体の場合は成立し得るが、非公務員が公務員を利用する場合は原則不可罰(公正証書原本不実記載等罪の場合を除く)という判例の枠組みを正確に区別して覚えること。
結論
選択肢1(①a・④h・⑥k・⑦m)が正しい。判例は公文書のコピーも偽造罪の客体になり得ることを肯定し、補助公務員にも一定の条件付きで作成権限を認め、公務員が虚偽公文書を起案し上司を利用した場合の虚偽公文書作成罪の間接正犯は成立し得るとした一連の判例知識が正確に対応しているのが選択肢1のみである。
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出典:法務省「令和7年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
