令和6年 予備試験 短答式 民事訴訟法 第43問 解説
問題
多数当事者訴訟に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.Xの所有する甲土地上に乙建物を所有していたAが死亡し、Y1とY2がAを相続した。この場合において、XがY1のみを被告として乙建物を収去して甲土地を明け渡すことを求める訴えを提起したときは、裁判所は、この訴えを不適法なものとして却下しなければならない。
イ.鉄道事故の被害者Xが、鉄道会社Yを被告として不法行為に基づき損害賠償を求める訴えを提起した。この場合において、同一事故の別の被害者Zは、Yに対して不法行為に基づく損害賠償を求めるため、Xを被参加人として、上記訴訟に共同訴訟参加をすることはできない。
ウ.株式会社Yの株主Xが、Yを被告として、Zを取締役に選任した株主総会決議の取消しを求める訴えを提起したところ、ZがYを被参加人として補助参加をした。この訴訟につき、第一審裁判所がXの請求を認容する判決をした場合において、Yの控訴期間が経過した後であっても、Zが判決書の送達を受けた日から2週間以内に控訴を提起したときは、Zによる控訴は適法である。
エ.XがYを被告として甲土地の所有権の確認を求める訴えを提起し、その係属中に、Yは、Zに対して甲土地を譲渡した。その後、Zにこの訴訟を引き受けさせる決定があった場合においては、Zを除いてXとYとの間で訴訟上の和解をすることはできない。
オ.債権者Xが、主債務者Yとその連帯保証人Zを共同被告とし、Yに対して貸金の返還を、Zに対して連帯保証債務の履行を求める訴えを提起した。この訴訟において、Yが自己による弁済の事実を主張し、Zが当該弁済の事実を主張せず、Xが当該弁済の事実を争った場合でも、裁判所は、審理の結果、当該弁済の事実が認められるとの心証に至ったときは、当該弁済を理由として、XのZに対する請求を棄却する旨の判決をすることができる。
- ①ア イ
- ②ア オ
- ③イ ウ正解
- ④ウ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
通常共同訴訟では共同訴訟人独立の原則(民訴39条)が働き、一方が主張していない事実を他方について認定することはできない。他方、対世効のある訴訟に会社側で補助参加した者(共同訴訟的補助参加人)は、被参加人の訴訟追行に拘束されず独立して上訴でき、被参加人の上訴期間経過後でも自己の送達受領日から起算した期間内なら上訴が可能である。
結論
正しいのはイとウであり、選択肢3が正解である。イは共同訴訟参加の要件である合一確定の必要性を欠くため参加できないという判例・通説の帰結であり、ウは株主総会決議取消訴訟における取締役の補助参加が共同訴訟的補助参加にあたり、独立して控訴期間を有するという判例法理に合致する。
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出典:法務省「令和6年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
