令和6年 予備試験 短答式 刑法 第9問 解説
問題
秘密を侵す罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものはどれか。
- ①信書開封罪は、信書に記載された人の秘密を保護法益とするため、正当な理由なく、封をしてある信書を開けたとしても、信書の内容を確認しなかった場合には成立しない。
- ②秘密漏示罪は、医師や弁護士など人の秘密を知りやすい職にある者を主体とする犯罪であり、かつて同職にあったが、既に同職にない者については、同罪の主体とはならない。
- ③秘密漏示罪の「人の秘密」には、精神科の医師が医学的判断を内容とする精神鑑定を行う過程で知った鑑定対象者本人の秘密は含まれるが、同過程で知った同人以外の者の秘密は含まれない。
- ④弁護士が、正当な理由なく、業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときには秘密漏示罪が成立するが、弁護士が業務とは無関係に偶然知った人の秘密を漏らしたとしても、同罪は成立しない。正解
- ⑤弁護士が、正当な理由なく、業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を特定かつ少数の人に漏らした場合、その者らを通じて不特定又は多数の人へと秘密が漏れなければ、秘密漏示罪は成立しない。
解説
要点
秘密漏示罪(刑法134条)は「業務上取り扱ったことについて知り得た」秘密であることが必須要件であり、業務と無関係に偶然知った秘密の漏示は同罪を構成しない。また同罪の成立に不特定多数への伝播は不要で、特定少数への告知でも足りる。
結論
正しいのは選択肢4である。弁護士が秘密漏示罪(刑法134条1項)に問われるのは、あくまで「その業務上取り扱ったことについて知り得た」秘密を漏らした場合に限られ、業務と無関係に偶然知った秘密を漏らしても同罪の構成要件を満たさない。
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出典:法務省「令和6年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
