令和5年 予備試験 短答式 民法 第13問 解説
問題
不法行為に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.不法行為の被害者は、不法行為に起因する後遺障害による逸失利益について、定期金による賠償を求めることができない。
イ.被用者が使用者の事業の執行について重大な過失により失火して第三者に損害を加えた場合には、使用者は、被用者の選任監督について重大な過失があるときに限り、損害賠償の責任を負う。
ウ.被用者が、使用者の事業の執行について第三者に損害を加えた場合において、その損害を賠償したときは、被用者は、使用者に対して求償権を行使することができない。
エ.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じた場合において、その工作物の占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その工作物の所有者が損害賠償の責任を負う。
オ.損害賠償の額を定めるに当たり、被害を受けた未成年者の過失を考慮するためには、その未成年者に事理を弁識するに足りる知能が備わっていれば足りる。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤エ オ正解
解説
要点
後遺障害逸失利益は相当と認められるときは定期金賠償の対象となり(最判令和2年7月9日)、被用者から使用者への逆求償も損害の公平な分担の見地から相当な額につき認められる(最判令和2年2月28日)。被用者の重過失による失火では使用者が715条の責任を負い(最判昭和42年6月30日)、717条1項ただし書で占有者が免責されれば所有者が責任を負う。過失相殺には事理弁識能力で足り責任能力は不要(最大判昭和39年6月24日)。
結論
正しいのはエとオであり、選択肢5が正解である。エは民法717条1項ただし書の文言どおりであり、オは未成年者の過失相殺について事理弁識能力があれば足りるとした判例の考え方に合致する。ア・イ・ウはいずれも判例の趣旨に反する。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「令和5年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
