令和5年 予備試験 短答式 刑法 第5問 解説
問題
緊急避難に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア.緊急避難は、自己又は他人の生命、身体、自由又は財産という個人的法益に対する現在の危難を避けるためにした行為に成立するものであるから、国家的法益に対する危難を避けるためにした行為に緊急避難が成立することはない。
イ.避難行為により避けようとした害の程度が生じた害の程度を上回る場合だけでなく、両者が同程度の場合にも、緊急避難は成立し得る。
ウ.緊急避難における現在の危難は、危難が現に存在している場合のみならず、間近に押し迫っている場合も含む。
エ.過剰避難が成立する場合、情状によって、その刑を減軽することはできるが免除することはできない。
オ.緊急避難におけるやむを得ずにした行為とは、正当防衛におけるのと同様に、手段として必要最小限度のものであること、すなわち相当性を有するものであれば足りる。
- ①ア エ
- ②ア オ
- ③イ ウ正解
- ④イ エ
- ⑤ウ オ
解説
要点
緊急避難の『やむを得ずにした行為』は正当防衛の相当性より厳格な補充性(他に方法がないこと)を要求し、過剰避難は減軽・免除の両方が可能である点を正確に区別する。害の権衡は37条1項本文、過剰避難は同項ただし書と、条文の位置も押さえる。
結論
正しいのはイとウであり、選択肢3が正解である。イは害の権衡について同程度でも緊急避難が成立し得るという刑法37条1項本文(「超えなかった場合に限り」)の文言どおりの理解であり、ウは正当防衛の『急迫』と同様に『現在の危難』が切迫している場合も含むとする解釈(判例)と一致する。
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出典:法務省「令和5年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
