令和5年 予備試験 短答式 刑法 第4問 解説
問題
強盗の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものはどれか。
- ①甲は、違法な麻薬の購入資金としてAから預かった金銭の返還を免れるために、殺意をもって、Aを殺害し、その返還を免れた。この場合、甲に強盗殺人罪が成立する。
- ②甲は、強盗目的でA宅に侵入し、殺意をもって、Aを殺害して金品を奪うとともに、Aの傍らで熟睡していた幼児Bも、殺意をもって、殺害した。この場合、Aの殺害についてのみ、甲に強盗殺人罪が成立する。正解
- ③甲は、タクシーに乗車して目的地に到着した後、運賃を請求された際、運賃の支払を免れるために、タクシー運転手Aにナイフを突き付けた上、「殺すぞ。」と言って脅し、Aが恐怖で動けないうちに逃走し、その支払を免れた。この場合、甲に強盗罪が成立する。
- ④甲は、財物奪取目的でAに包丁を突き付けて「金を出さなければ殺す。」と言って脅したところ、Aに包丁をつかまれたため、Aが負傷することを分かりながら包丁を引き、Aは両手を負傷した。この場合、甲に強盗傷人罪が成立する。
- ⑤甲は、財物奪取目的でAを脅迫してその反抗を抑圧し、その際、Aが気付かないうちに、Aが持つかばんから財布を抜き取った。この場合、甲に強盗罪が成立する。
解説
要点
強盗殺人罪(240条後段)は、財物奪取の相手方以外の者を強盗の機会に殺害した場合にも成立し得る。強盗の機会に複数人を殺害した場合、それぞれについて強盗殺人罪の成否を検討すべきであり、財物奪取の相手方一人についてのみ成立するという限定は誤り。
結論
誤っているのは選択肢2である。強盗の機会に被害者Aだけでなく熟睡していた幼児Bも殺害した場合、財物奪取の相手方でないBの殺害についても、強盗の機会に行われた殺害である以上、強盗殺人罪の成立が認められ得る。選択肢2は「Aの殺害についてのみ」強盗殺人罪が成立するとしている点で誤り。
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出典:法務省「令和5年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
