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令和5年 予備試験 短答式 刑法 第11問 解説

令5予備 第11問刑法罪数論の過去問

問題

次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。 ア.甲は、Aが居住するA所有の家屋に放火し、同家屋を全焼させた上、同家屋に隣接するBが居住するB所有の家屋にも火を燃え移らせて同家屋を全焼させた。この場合、甲には2個の現住建造物等放火罪が成立し、これらは観念的競合となる。 イ.甲は、行使の目的で1万円札を偽造し、Aが経営する商店において、事情を知らないAに対し、1万円の商品の購入を申し込み、その代金として偽造の1万円札をAに手渡して同商品の交付を受けた。この場合、甲には通貨偽造罪、偽造通貨行使罪及び詐欺罪が成立し、これらは牽連犯となる。 ウ.暴力団員甲及び乙は、対立する暴力団員A及びBを襲撃して殺害することを共謀し、路上を連れ立って歩いていたA及びBを待ち構えた上で、甲がAを、乙がBを、それぞれ殺害した。この場合、甲及び乙を共同正犯とする2個の殺人罪が成立し、これらは併合罪となる。 エ.甲は、酒に酔った状態で、自動車を無免許で運転した。この場合、甲には酒酔い運転の罪と無免許運転の罪が成立し、これらは観念的競合となる。 オ.甲は、恐喝目的でAを監禁し、監禁のための暴行等により畏怖しているAを更に脅迫して現金を喝取した。この場合、監禁罪と恐喝罪が成立し、これらは牽連犯となる。
  1. ①ア イ
  2. ②ア ウ
  3. ③イ オ
  4. ④ウ エ正解
  5. ⑤エ オ

解説

要点
罪数論は『行為が1個か複数か』『各罪の手段目的関係が類型的・通常性を持つか』を刑法54条1項に当てはめて判断する。放火罪は社会的法益に対する罪なので1個の放火行為で複数建造物を焼損しても一罪、偽造通貨を行使して財物を得た場合は判例上詐欺罪は行使罪に吸収される、酒酔い運転と無免許運転は1個の運転行為なので観念的競合、監禁と恐喝は判例上牽連犯性が否定され併合罪、という各判例の結論を押さえる。

結論

正しいのはウとエであり、選択肢4が正解である。共謀に基づき甲乙がそれぞれ別の被害者を殺害した場合は2個の殺人罪の共同正犯が成立し併合罪となり(ウ)、酒酔い運転と無免許運転は1個の運転行為から生じるため観念的競合となる(エ)というのが判例の立場である。

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出典:法務省「令和5年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。