令和3年 予備試験 短答式 民事訴訟法 第44問 解説
問題
控訴に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
1.控訴審において訴えの交換的変更がされた場合において,変更後の訴えに対する控訴裁判所の判断の内容が第一審判決の主文と同じものとなるときは,控訴裁判所は,控訴を棄却するとの判決をしなければならない。
2.XのYに対する貸金返還請求訴訟において,Yが弁済の主張と共に予備的に相殺の主張をしたところ,第一審裁判所が,貸金債権が相殺により消滅しているとしてXの請求を棄却するとの判決をした場合に,Yは,第一審判決を不服として控訴することができない。
3.XがYに対して選択的に債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求める訴えを提起したところ,第一審裁判所は,不法行為に基づく損害賠償請求の一部を認容し,その余の請求を棄却するとの判決をした。これに対し,Yが控訴をしたが,Xは控訴と附帯控訴をしなかった場合において,控訴裁判所が不法行為に基づく損害賠償請求の全部を棄却すべきと判断したときは,控訴裁判所は,債務不履行に基づく損害賠償請求権の有無について判断するまでもなく,第一審判決を取り消してXの請求をいずれも棄却するとの判決をすることができる。
4.XがY1とY2を共同被告として,Y1に対して貸金の返還を求める訴えを,Y2に対して保証債務の履行を求める訴えをそれぞれ提起したところ,第一審裁判所は,Y1に対する請求を認容し,Y2に対する請求を棄却する判決をした。この場合において,Xのみが控訴をしたときは,第一審判決のうちY1に対する請求に関する部分については,移審の効果は生じない。
5.亡Aの配偶者Xが子であるY及びZを共同被告としてYがAの相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えを提起したところ,第一審裁判所が,Xの請求のうち,Yに対する請求を認容し,Zに対する請求を棄却するとの判決をした場合において,Yのみが控訴をし,Xが控訴又は附帯控訴をしていないときであっても,控訴裁判所は,合一確定に必要な限度で,第一審判決のうちZに関する部分をZに不利益に変更することができる。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5
- ⑩4と5正解
解説
要点
控訴審の審判範囲は不服申立ての範囲に限られるのが原則(通常共同訴訟では移審も個別的)だが、選択的併合や必要的共同訴訟のように審判の合一性・合一確定が要請される場面では、控訴していない部分にも移審・判断・変更の効力が及ぶ点を区別して覚える。
結論
正しいのは記述4と記述5であり、選択肢10が正解である。通常共同訴訟では各請求は別個独立に扱われ、不服申立てのない部分には移審の効力が生じない(記述4)一方、必要的共同訴訟のように合一確定が要請される場合には、控訴していない共同訴訟人に関する部分についても合一確定に必要な限度で不利益に変更できる(記述5)。
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出典:法務省「令和3年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
