令和3年 予備試験 短答式 行政法 第22問 解説
問題
国家賠償法に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.憲法第17条は,国又は公共団体が公務員のどのような行為によりいかなる要件で損害賠償責任を負うかを立法府の政策判断に委ねたものであるから,公務員の不法行為による国又は公共団体の損害賠償責任を免除し,又は制限する内容の法律の規定が同条に違反するとして,無効とされることはない。
イ.国家賠償法第2条第1項の営造物責任に関し,同法第3条第1項の「費用を負担する者」には,当該営造物の設置費用につき法律上負担義務を負う者だけでなく,この者と同等又はこれに近い設置費用を負担し,実質的にこの者と当該営造物による事業を共同して執行していると認められる者であって,当該営造物の瑕疵による危険を効果的に防止し得る者も含まれる。
ウ.税務署長のする所得税の更正は,所得金額を過大に認定していた場合であっても,当該税務署長において職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と更正をしたと認め得るような事情がない限り,国家賠償法第1条第1項にいう違法があったとの評価を受けない。
- ①ア〇 イ〇 ウ○
- ②ア〇 イ〇 ウ×
- ③ア〇 イ× ウ○
- ④ア〇 イ× ウ×
- ⑤ア× イ〇 ウ○正解
- ⑥ア× イ〇 ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
憲法17条は公務員の不法行為責任の要件・範囲を法律に委ねるが無制限ではなく、郵便法違憲判決のように免責・制限規定が違憲無効とされることもある。国賠法3条の費用負担者は実質的・機能的に判断され、税務署長の更正処分の違法性は職務上の注意義務違反という職務行為基準説で判断される。
結論
正解は選択肢5(ア×イ〇ウ〇)である。憲法17条を根拠に免責・制限規定が絶対に違憲無効とされないとするアの記述は、郵便法違憲判決に反するため誤りであり、イ・ウは判例の規範に合致するため正しい。
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出典:法務省「令和3年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
