令和3年 予備試験 短答式 行政法 第16問 解説
問題
行政裁量の司法審査に関する次のアからウまでの各記述について,法令又は最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.行政庁の裁量処分の取消しについて定める行政事件訴訟法第30条は,行政処分の当不当の問題については裁判所の審理権が及ばないという当然の原則を明示したものであり,取消訴訟以外の抗告訴訟にも同条が準用されるものがある。
イ.行政庁が行政手続法第12条第1項に従い処分基準を定めて公にしたが,後に,特段の事情がないにもかかわらず,当該処分基準の定めと異なる内容の処分をしたときは,当該処分は,同項に違反するものとして取り消されるのであり,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の問題は生じない。
ウ.行政庁の裁量処分の取消しについて,行政事件訴訟法第30条は,「取り消すことができる」と規定しており,これは,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったときでも,公の利益に配慮して当該処分を取り消すか否かの裁量を裁判所に認める趣旨を含むものである。
- ①ア〇 イ〇 ウ○
- ②ア〇 イ〇 ウ×
- ③ア〇 イ× ウ○
- ④ア〇 イ× ウ×
- ⑤ア× イ〇 ウ○
- ⑥ア× イ〇 ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×正解
解説
要点
行政事件訴訟法30条は取消訴訟固有の規定であり38条各項の準用対象に含まれていないこと、処分基準と異なる取扱いは裁量権逸脱濫用の問題として審査されること(最判平成27年3月3日)、30条の『取り消すことができる』は裁判所の自由裁量を認める趣旨ではないことを押さえる。
結論
ア・イ・ウのいずれも誤りであり、正解は選択肢8である。アは30条が取消訴訟以外の抗告訴訟に準用されない点で誤り、イは処分基準と異なる処分が行政手続法12条1項違反として当然に取消事由になるのではなく裁量権逸脱濫用の問題として審査される点で誤り、ウは30条の「取り消すことができる」が裁判所の自由な裁量を認めるものではない点で誤りである。
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出典:法務省「令和3年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
