令和3年 予備試験 短答式 行政法 第14問 解説
問題
行政行為に関する次のアからウまでの各記述について,法令又は最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.行政庁が適法に行った行政行為をその後の事情の変化に伴って将来に向かって撤回することは,法令上直接明文の規定がなくとも可能であるが,それによって不利益を被る者に生じる損失を補償しなければ当該撤回の効力は生じない。
イ.課税処分の違法性は,滞納処分に承継されないことから,滞納処分の取消訴訟において,課税処分の違法を滞納処分の違法事由として主張することは許されないが,課税処分に重大かつ明白な違法があって無効であるとの主張をすることは許される。
ウ.裁決庁が,一定の争訟手続に従って,当事者を手続に関与させて,紛争の終局的解決を図ることを目的とする裁決をした後に当該裁決の誤りに気が付いた場合,特別の規定がなくとも当該裁決を取り消すことは可能であるが,取消しによって生ずる不利益と,取消しをしないことによる不利益とを比較考量し,当該裁決を放置することが公共の福祉の要請に照らし著しく不当と認められることが必要となる。
- ①ア〇 イ〇 ウ○
- ②ア〇 イ〇 ウ×
- ③ア〇 イ× ウ○
- ④ア〇 イ× ウ×
- ⑤ア× イ〇 ウ○
- ⑥ア× イ〇 ウ×正解
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
行政行為の撤回は法令の明文がなくても可能だが、損失補償の要否は撤回の効力発生要件ではない。また、争訟裁断的処分である裁決には不可変更力が働き、通常の行政処分と同様の比較衡量による職権取消しの法理はそのまま妥当しない。
結論
正解は選択肢6(ア×イ○ウ×)である。アは損失補償が撤回の効力発生要件であるかのように述べている点で誤り、イは課税処分と滞納処分の違法性の承継及び無効の主張の可否について正しい内容であり、ウは裁決という争訟裁断的処分に通常の職権取消しの法理をそのまま適用している点で誤りである。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「令和3年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
