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令和2年 予備試験 短答式 民事訴訟法 第40問 解説

令2予備 第40問民事訴訟法訴訟行為・期日期間の過去問

問題

Xは,Yに対し,金銭債権である甲債権を,Yは,Xに対し,金銭債権である乙債権をそれぞれ有しており,甲債権と乙債権とは,相殺適状にあるところ,XがYに対して甲債権に基づく金銭の支払を求める訴え(以下「本件訴え」といい,本件訴えに係る訴訟を「本件訴訟」という。)を提起した。この場合における相殺に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 ア.Yが本件訴訟の口頭弁論の終結時までに相殺の意思表示をせず,Xの請求を全部認容する判決が確定した場合において,Yが,その後に乙債権を自働債権とし,甲債権を受働債権とする相殺の意思表示をし,Xに対して提起した請求異議の訴えに係る訴訟において,甲債権の消滅を主張することは,この判決の既判力に抵触し,許されない。 イ.Yが本件訴えの反訴として乙債権に基づく金銭の支払を求める訴えを提起した場合において,Xが,甲債権の全部又は一部が時効により消滅したと判断されることを条件として,甲債権のうち時効により消滅した部分を自働債権とし,乙債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは,許されない。 ウ.Yが本件訴訟において乙債権を自働債権とし,甲債権を受働債権とする訴訟上の相殺の抗弁を主張した場合において,Xが,甲債権と異なる他のYに対する債権を自働債権とし,乙債権を受働債権とする訴訟上の相殺の再抗弁を主張することは,許されない。 エ.Yが本件訴えの反訴として乙債権に基づく金銭の支払を求める訴えを提起した場合において,Yが,Xの請求に対し,乙債権を自働債権とし,甲債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは,許されない。 オ.本件訴訟とYのXに対する乙債権に基づく金銭の支払を求める訴えに係る訴訟とがそれぞれ係属している場合に,Yが,本件訴訟において乙債権を自働債権とし,甲債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは,許されない。
  1. ①ア ウ
  2. ②ア エ
  3. ③イ エ
  4. ④イ オ
  5. ⑤ウ オ正解

解説

要点
相殺の抗弁は、自働債権の存否に既判力が及ぶ(民訴法114条2項)特殊な防御方法であるため、別訴係属中の債権を自働債権とする相殺の抗弁(最判平成3年12月17日)や、相殺の抗弁に対する相殺の再抗弁(最判平成10年4月30日)は許されない。他方、基準時後の相殺権行使(最判昭和40年4月2日)、反訴請求債権を自働債権とする相殺の抗弁(最判平成18年4月14日)、時効消滅と判断されることを条件とする相殺の抗弁(最判平成27年12月14日)は許される。

結論

正しいのはウとオであり、選択肢5が正解である。相殺の抗弁に対して更に相殺を主張すること(相殺の再抗弁)、及び既に別訴が係属している債権を自働債権として他の訴訟で相殺の抗弁を主張することは、いずれも判例上許されない。

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出典:法務省「令和2年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。