平成30年 予備試験 短答式 民事訴訟法 第44問 解説
問題
控訴に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
- ①控訴の提起は,判決書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に,控訴状を第一審裁判所に提出することによって行う。
- ②控訴状には,第一審判決の取消し又は変更を求める事由を記載する必要はない。
- ③請求の客観的予備的併合がされている場合において,主位的請求を認容し,予備的請求に対する判断をしなかった第一審判決に対し,被告が控訴したときは,控訴裁判所は,主位的請求を棄却するとの判断をした上,予備的請求について判断をすることができる。
- ④請求の客観的予備的併合がされている場合において,主位的請求を棄却し,予備的請求を認容した第一審判決に対し,被告が控訴し,原告が控訴及び附帯控訴のいずれもしないときは,控訴裁判所は,主位的請求に対する第一審裁判所の判断の当否の判断をすることはできない。
- ⑤金銭の給付訴訟において,被告の相殺の抗弁が認められて原告の請求が棄却され,原告が控訴し,被告が控訴及び附帯控訴のいずれもしない場合に,控訴裁判所が請求原因事実が認められないとの判断をしたときは,第一審判決を取り消して,請求を棄却するとの判決をすることができる。正解
解説
要点
相殺の抗弁を認めて請求棄却した第一審判決に対し原告のみが控訴した場合、控訴審は請求原因事実の不存在を理由に棄却判決をすることはできない。相殺の抗弁による棄却には自働債権不存在という既判力上の利益(114条2項)があり、これを失わせることは不利益変更禁止(304条)に反するからである。
結論
誤っているのは選択肢5である。相殺の抗弁が認められて原告の請求が棄却され、原告のみが控訴した場合、控訴裁判所は請求原因事実が認められないとして請求を棄却することはできない。相殺の抗弁による棄却判決には自働債権の不存在について既判力が生じる(民訴法114条2項)という原告にとっての利益があり、これを奪うことは不利益変更禁止の原則に反するためである。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「平成30年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
