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平成30年 予備試験 短答式 商法 第30問 解説

平30予備 第30問商法手形法・小切手法の過去問

問題

約束手形の振出人が負う手形債務がどのようにして生ずるかについては,幾つかの立場がある。次のアからオまでの各記述のうち,「この立場」が,当該手形債務は,手形の作成及び署名という一方的行為によって発生すると解する立場を指すものとしてふさわしいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 ア.「この立場」は,一般に,署名によって署名者自身を権利者とする手形上の権利が成立し,その権利が手形の交付によって相手方に譲渡されると解している。 イ.「この立場」は,手形という書面を通じて意思表示がされ,手形の授受により,意思表示が相手方に到達すると解している。 ウ.「この立場」は,手形を一旦作成し,署名した後であっても,占有を手放すまでは,署名者は自由に手形債務の内容を変更し,又は消滅させることができるから,手形を相手方に交付して初めて債務を負担すると解することが手形行為者の通常の意思に合致すると主張する。 エ.「この立場」に対しては,民法上も単独行為によって債権債務関係は生じ得るし,相手方の承諾を必要と考えるのは擬制的であるという批判がある。 オ.「この立場」は,振出人が署名したが,受取人に交付する前の手形が振出人の下で保管されていた間に盗取されたときは,当該手形を盗取した者から,善意でかつ重大な過失がなく当該手形を取得した者は,善意取得によって保護されると解している。
  1. ①ア エ
  2. ②ア オ正解
  3. ③イ ウ
  4. ④イ エ
  5. ⑤ウ オ

解説

要点
手形債務の発生根拠に関する学説(創造説=単独行為説/二段階創造説・権利移転説と、交付契約説)の違いを、交付の要否と、交付前に盗取された手形の善意取得の可否という帰結から区別できるようにする。

結論

正解は選択肢2(ア・オ)である。手形の作成・署名という一方的行為(単独行為)によって手形債務が発生すると解する立場(創造説)は、署名の時点で権利義務関係が成立するため、交付の有無にかかわらず債務が生じ、交付前に盗取された手形についても善意取得による保護を整合的に説明できる(オ)。また、署名者自身をいったん権利者とし、交付によってその権利が相手方に譲渡されるという構成(ア。いわゆる二段階創造説・権利移転説)も、債務の発生自体は署名という単独行為で完結しているとみる点で同じ立場に属する。

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出典:法務省「平成30年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。