平成30年 予備試験 短答式 商法 第17問 解説
問題
株主の権利に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.基準日前に株式の譲渡があった場合には,会社側においては,株主名簿の名義書換が何らかの都合でされていなくとも,当該譲渡を認め,基準日が定められた権利を譲受人に行使させることができる。
イ.株式会社の株主が,当該株式会社の業務及び財産の状況を調査させるため,裁判所に検査役選任の申立てをした時点で,当該申立てをするために必要な持株要件を満たしていたとしても,その後,当該株式会社が新株を発行したことにより,当該株主が当該持株要件を満たさないものとなった場合には,特段の事情のない限り,当該申立ては,申立人の適格を欠くものとして不適法となる。
ウ.株式会社の会計帳簿の閲覧の請求をする株主は,当該請求の理由を明らかにし,かつ,当該請求の理由を基礎付ける事実が客観的に存在することを立証しなければならない。
エ.株式会社の会計帳簿の閲覧の請求をした株主が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営む場合には,当該株式会社は,当該株主に会計帳簿の閲覧によって知り得る情報を自己の事業に利用するなどの主観的意図がないときであっても,当該請求を拒むことができる。
オ.株主の提起した株主総会の決議の取消しの訴えの係属中当該株主が死亡した場合には,相続により株式を取得した相続人はその訴訟の原告たる地位を承継せず,その訴訟は当然に終了する。
- ①ア イ
- ②ア エ
- ③イ オ
- ④ウ エ
- ⑤ウ オ正解
解説
要点
会計帳簿閲覧請求は理由を明らかにすれば足り、その事実の客観的存在の立証までは不要(請求理由の存在自体は要件審理で判断される)。また株主総会決議取消訴訟の原告が死亡しても株式を承継した者が訴訟上の地位を承継し、訴訟は当然には終了しない。
結論
誤っている記述はウとオであり,選択肢5が正解である。会計帳簿閲覧請求において株主が請求理由を基礎づける事実の客観的存在まで立証する必要はなく,また株主総会決議取消訴訟の原告が死亡しても訴訟は当然に終了せず,株式を承継した者が地位を承継する。
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出典:法務省「平成30年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
