平成30年 予備試験 短答式 行政法 第20問 解説
問題
処分性に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.告示により一定の条件に合致する道を一括して道路に指定する方法でされた建築基準法第42条第2項所定のいわゆるみなし道路の指定は,特定の土地について個別具体的にこれを指定するものではなく,不特定多数の者に対して一般的抽象的な基準を定立するものにすぎないのであって,これによって直ちに建築制限等の私権制限が生じるものでないから,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらない。(参照条文)建築基準法(道路の定義)第42条 (略)2 この章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道で,特定行政庁の指定したものは,前項の規定にかかわらず,同項の道路とみなし,その中心線からの水平距離2メートル(中略)の線をその道路の境界線とみなす。(以下略)3~6 (略)
イ.労災就学援護費について,労働者災害補償保険法及び同法施行規則は,その支給の実体的及び手続的な要件や金額について何ら定めていないから,労災就学援護費を支給しない旨の決定は,行政庁が公権力の行使として一方的に決定し,取消訴訟によらなければその判断を覆すことができないとの効力が法律上与えられたものとはいえず,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらない。
ウ.病院開設中止の勧告は,医療法上は当該勧告を受けた者が任意にこれに従うことを期待してされる行政指導として定められているものの,当該勧告を受けた者に対し,これに従わない場合には,相当程度の確実さをもって,病院を開設しても保険医療機関の指定を受けることができなくなるという結果をもたらすものであり,その結果,実際上病院の開設自体を断念せざるを得ないことになるから,上記勧告は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
- ①ア〇 イ〇 ウ○
- ②ア〇 イ〇 ウ×
- ③ア〇 イ× ウ○
- ④ア〇 イ× ウ×
- ⑤ア× イ〇 ウ○
- ⑥ア× イ〇 ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○正解
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
処分性の判断は「国民の権利義務に直接影響を与えるか」「実効的な権利救済の必要性」という実質的観点から個別に行う。告示による一括指定や勧告のような形式的には非処分的に見える行為でも、最高裁は具体的な法効果・事実上の強制力に着目して処分性を肯定することがある。
結論
正解は選択肢7(ア×イ×ウ○)である。二項道路の一括指定は最高裁判例上処分性が肯定されており、労災就学援護費の不支給決定も処分性が肯定されているため、ア・イはいずれも「処分性なし」とする記述として誤り。病院開設中止勧告は処分性が肯定されているためウは正しい。
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出典:法務省「平成30年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
