平成30年 予備試験 短答式 憲法 第4問イ 解説
問題
取材フィルム又はビデオテープの押収が問題となった「博多駅事件決定」(最高裁判所昭和44年11月26日大法廷決定,刑集23巻11号1490頁),「日本テレビ事件決定」(最高裁判所平成元年1月30日第二小法廷決定,刑集43巻1号19頁)及び「TBS事件決定」(最高裁判所平成2年7月9日第二小法廷決定,刑集44巻5号421頁)に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
イ.「日本テレビ事件決定」と「TBS事件決定」では,対象のビデオテープは,事件の全容を解明し犯罪の成否を判断する上でほとんど不可欠と認められるものであったのに対し,「博多駅事件決定」では,犯罪の成立は他の証拠上認められるが,事件の重要な部分の真相を明らかにする必要があるとして,取材フィルムの提出命令を適法とした。
- ①正しい
- ②誤っている正解
解説
要点
博多駅事件・日本テレビ事件・TBS事件はいずれも、対象物が事件の解明・犯罪の成否の判断にとって重要(ないし不可欠)な証拠価値を持つと評価した上で、報道・取材の自由と公正な刑事裁判(適正な捜査)の実現の必要性とを比較衡量した点で共通しており、博多駅事件だけを「犯罪の成立は他の証拠で認められる」場合として切り分けるのは誤り。
結論
本記述は誤り(選択肢2が正しい)。博多駅事件決定は、機動隊員らの特別公務員暴行陵虐罪・公務員職権濫用罪につき付審判請求がされた事件において、取材フィルムが事件の実態を明らかにする上でほとんど必須の証拠であるとして提出命令を適法としたのであって、「犯罪の成立は他の証拠上認められる」場合ではない。日本テレビ・TBS両決定と同様、対象物が事件の解明・犯罪の成否の判断にとって重要な証拠価値を持つことを前提に、比較衡量によって強制処分を適法としている点で三決定は共通する。
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出典:法務省「平成30年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
