平成29年 予備試験 短答式 民法 第5問 解説
問題
留置権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.AがBから甲建物を賃借し,Bに敷金を交付していた場合において,その賃貸借契約が終了したときは,Aは,敷金が返還されるまで甲建物を留置することができる。
イ.AからB,BからCに建設機械が順次売却され,BがAに対して代金を支払っていない場合に,Cが提起した所有権に基づく建設機械の引渡請求訴訟においてAの留置権が認められるときは,Cの請求は棄却される。
ウ.AがBから甲建物を賃借していたが,Aの賃料不払によりその賃貸借契約が解除された後,明渡しの準備をしている間にAが甲建物について有益費を支出した場合,Aは,Bに対し,その費用の償還請求権を被担保債権とする留置権を行使して甲建物の明渡しを拒むことはできない。
エ.甲土地の借地権者であるAが甲土地上にある建物について買取請求権を行使した場合,Aは,甲土地の賃貸人であるBに対し,その買取代金債権を被担保債権とする留置権を行使して甲土地の明渡しを拒むことはできない。
オ.甲建物の賃貸人Aが,賃借人Bに対して賃貸借契約の終了に基づき甲建物の明渡しを請求したのに対し,Bが賃貸借の期間中に支出した有益費の償還請求権に基づいて留置権を行使し,従前と同様の態様で甲建物に居住した場合,Bは,Aに対し,その居住による利得を返還する義務を負う。
- ①ア イ
- ②ア エ
- ③イ オ
- ④ウ エ
- ⑤ウ オ正解
解説
要点
留置権は①物と債権の牽連性(被担保債権の性質・弁済期)、②占有が不法行為によって始まった場合(民法295条2項。これに準ずる場合への類推適用を含む)の2段階で判断し、留置権が認められても訴訟上は請求棄却ではなく引換給付判決になる点に注意する。
結論
正しいのはウとオであり、選択肢5が正解である。ウは債務不履行による解除後に支出した費用の償還請求権について民法295条2項の類推適用により留置権を否定した判例に、オは留置物を使用した留置権者に使用利益の返還義務を認める判例法理にそれぞれ合致する。
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出典:法務省「平成29年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
