平成29年 予備試験 短答式 民事訴訟法 第42問 解説
問題
BがAから賃借した土地上に建物を建築し所有していたところ,Aは,Bに対し,土地賃貸借契約の終了に基づく建物収去土地明渡請求訴訟を提起した。この場合に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。
1.民事訴訟法第50条の「義務承継人」の範囲を訴訟物たる義務の引受けをした者と解すると,口頭弁論終結前にBがCに当該建物を貸し渡した事案では,Cに訴訟を引き受けさせることはできないこととなる。
2.民事訴訟法第115条第1項第3号の「承継人」の範囲を訴訟物たる権利の譲受け又は義務の引受けをした者と解すると,口頭弁論終結後にBがCに当該建物を貸し渡した事案では,Cに確定判決の効力が及ぶこととなる。
3.民事訴訟法第50条の「義務承継人」の範囲を紛争の主体たる地位の移転を受けた者と解すると,口頭弁論終結前にCがBに無断で空き家だった当該建物に入居した事案では,Cに訴訟を引き受けさせることができることとなる。
4.民事訴訟法第50条の「義務承継人」の範囲を紛争の主体たる地位の移転を受けた者と解すると,口頭弁論終結前にBがCに当該建物を売却してこれを引き渡し,その所有権移転登記をした事案では,Cに訴訟を引き受けさせることができることとなる。
5.民事訴訟法第115条第1項第3号の「承継人」の範囲を紛争の主体たる地位の移転を受けた者と解すると,口頭弁論終結後にBがCに当該建物を売却してこれを引き渡し,その所有権移転登記をした事案では,Cに確定判決の効力が及ぶこととなる。(参照条文)民事訴訟法(義務承継人の訴訟引受け)第50条 訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは,裁判所は,当事者の申立てにより,決定で,その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。2・3 (略)(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)第115条 確定判決は,次に掲げる者に対してその効力を有する。一 当事者二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人三 前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人四 前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者2 (略)
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3正解
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5
- ⑩4と5
解説
要点
民訴法50条の「義務承継人」・115条1項3号の「承継人」の範囲には、①訴訟物たる権利義務そのものの移転を要求する形式説と、②紛争の主体たる地位の移転で足りるとする実質説があり、賃貸(占有権原の設定)・無断入居・売買(所有権移転+引渡し+登記)の3類型ごとに、各説の帰結を機械的に当てはめて整合性をチェックする。
結論
誤っている記述は肢2と肢3であり、その組合せである⑤(2と3)が正解である。肢2は「義務の引受け」を要求する形式説の帰結を逆にしており、肢3は「紛争の主体たる地位の移転」を要求する実質説のもとで無断占有者にまで承継人性を認めてしまっている点が誤りである。
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出典:法務省「平成29年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
