平成29年 予備試験 短答式 憲法 第9問 解説
問題
憲法第9条の解釈に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.憲法第9条第1項について,侵略戦争を放棄したものであり,自衛戦争を放棄したものではないという考え方に立ったとしても,同条第2項前段によって第1項の目的を達成するために一切の戦力の保持が禁止されており,同条第2項後段によって交戦権も否認されているとの考え方に立てば,結果として自衛のための戦争も放棄されていることになる。
イ.戦争はおよそ国際紛争解決の手段として行われるものであり,その目的のいかんを問わず憲法第9条第1項により放棄されているという考え方に立ったとしても,同条第2項の「前項の目的を達するため」につき,戦力不保持を定めるに至った動機を示すものとの考え方に立てば,結果として自衛のための戦争は認められていることになる。
ウ.憲法第9条第1項について,侵略戦争を放棄したものであり,自衛戦争を放棄したものではないという考え方に立った場合,第9条第2項の「交戦権」につき,交戦国に国際法上認められる権利と考えるか,国として戦いを交える権利と考えるかに関わらず,自衛のための戦争は認められていることになる。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○
- ④ア○ イ× ウ×正解
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
9条の結論は1項・2項前段・2項後段の各解釈の組み合わせで決まる。1つの条文解釈だけで結論を断定する記述は、他の条文解釈次第で結論が変わりうるため誤りとなりやすい。
結論
正解は選択肢4(ア○イ×ウ×)である。アは1項限定放棄説を採っても2項で一切の戦力保持を禁止し交戦権も否認すると解すれば自衛戦争も事実上不可能になるという論理関係が正しく成立する。これに対しイとウは、それぞれ他の条項の解釈次第で結論が変わりうるのに、特定の解釈のみから一義的に結論を導いている点で誤りである。
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出典:法務省「平成29年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
