平成28年 予備試験 短答式 商法 第30問 解説
問題
約束手形の遡求に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.裏書人は,遡求義務者にならない場合がある。
イ.判例の趣旨によれば,遡求を受けて受け戻した手形の所持人は,満期の日から3年を経過して振出人の義務について消滅時効が完成した後であっても,前者である遡求義務者に遡求をすることができる。
ウ.手形が,振出人AからB,BからC,CからD,DからEに順次裏書によって譲渡され,手形の所持人Eが,裏書人B,C及びDのいずれに対しても遡求をすることができる要件を満たしているが,いまだその請求をしていない場合において,Eが,B,C及びDから同時に遡求金額の支払の申出を受けたときは,Eは,B,C及びDのうち,任意に選んだ者から支払を受けることができる。
エ.判例の趣旨によれば,手形の所持人が,支払呈示期間内に,振出日が白地である確定日払の手形を,白地を補充しないで支払のため呈示し,支払を拒絶された場合には,支払呈示期間経過後に白地を補充したとしても,遡求をすることができない。
オ.判例の趣旨によれば,約束手形の振出人に対する満期前の手形金請求訴訟の提起又は当該訴訟に係る訴状の送達は,裏書人に対する満期後の遡求権行使の要件である支払のための呈示としての効力を有しない。
- ①ア エ
- ②ア オ
- ③イ ウ正解
- ④イ オ
- ⑤ウ エ
解説
要点
遡求義務は各署名者ごとに独立の債務であるのが原則だが,判例は振出人に対する手形上の権利が時効消滅した後の再遡求権行使を否定する。また,複数の遡求義務者から同時に支払の申出を受けた場合は,最も多くの債務者を免責させる最先の裏書人から支払を受けるべきで,所持人の任意選択は認められない。
結論
誤っている記述はイとウであり,選択肢3が正解である。イは,振出人に対する手形上の権利が時効消滅した後は遡求義務者に対する再遡求権も行使できないとする判例の趣旨に反し,ウは,複数の遡求義務者から同時に支払の申出を受けた場合に所持人が全く任意に選べるとする点で誤りである。
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出典:法務省「平成28年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
