平成28年 予備試験 短答式 商法 第16問 解説
問題
株式会社の設立に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.法人は,発起人及び設立時取締役のいずれにもなることができない。
イ.会社法上の公開会社でない株式会社を設立する場合には,発行可能株式総数を定款で定めなければならないが,発行可能株式総数は,設立時発行株式の総数の4倍を超えてもよい。
ウ.発起人のうちの一人が設立時発行株式の株主となる権利を全て失った場合であっても,他の発起人がその引き受けた設立時発行株式について出資の履行をした財産の価額が定款に記載された設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を満たしているときは,株式会社の設立の無効事由とはならない。
エ.設立時募集株式の引受人は,設立時募集株式の払込金額の全額の払込みをする前に設立時募集株式の株主となる権利を譲渡した場合には,当該譲渡を成立後の株式会社に対抗することができないが,当該払込みをした後に設立時発行株式の株主となる権利を譲渡した場合には,当該譲渡を成立後の株式会社に対抗することができる。
オ.判例の趣旨によれば,募集設立において払込みの取扱いをした銀行は,払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書を発起人に交付した後は,払い込まれた金銭を株式会社の成立前に発起人に返還したことをもって成立後の株式会社に対抗することができない。
- ①ア イ
- ②ア ウ
- ③イ オ正解
- ④ウ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
発起人は法人でもなれるが設立時取締役は自然人に限られること(39条4項・331条1項1号)、非公開会社では発行可能株式総数の4倍規制(37条3項ただし書)が適用されないこと、権利株の譲渡は払込みの前後を問わず会社に対抗できないこと(50条2項・63条2項)、保管証明書を交付した払込取扱銀行は払込金の返還等をもって成立後の会社に対抗できないこと(64条2項)を押さえる。
結論
正しい記述はイとオであり、選択肢3が正解である。イは発行可能株式総数の4倍規制が設立段階では公開会社にのみ及ぶという条文構造(会社法37条3項ただし書)から正しく、オは払込取扱銀行の保管証明の効力に関する会社法64条2項および同旨の判例法理から正しい。
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出典:法務省「平成28年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
