平成28年 予備試験 短答式 行政法 第20問 解説
問題
行政処分の取消訴訟における主張の可否に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.青色申告による法人税の申告に対し,不動産の取得価額が申告額より低額であることを更正の理由として更正処分がされた場合に,その取消訴訟において,被告が,仮に当該不動産の取得価額が上記のとおりでないとしてもその販売価額が申告額より多額であると主張して争うことは許されない。
イ.労災保険給付の申請に対し,申請に係る疾病が労働者災害補償保険法の適用対象である疾病に当たらないとの理由で不支給決定がされた場合に,その取消訴訟において,被告が,同疾病が仮に同法の適用対象であるとしても当該疾病に業務起因性がないと主張して争うことは許されない。
ウ.情報公開条例に基づく公開請求に対し,同請求に係る情報が特定の非公開事由に該当することを理由に非公開決定がされた場合に,その取消訴訟において,被告が,仮に同情報が上記事由に該当しないとしても別の非公開事由にも該当すると主張して争うことは許されない。
- ①ア〇 イ〇 ウ○
- ②ア〇 イ〇 ウ×
- ③ア〇 イ× ウ○
- ④ア〇 イ× ウ×
- ⑤ア× イ〇 ウ○
- ⑥ア× イ〇 ウ×正解
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
処分理由の差替えの可否は、理由提示(附記)制度の有無で機械的に決まるものではなく、差替えによって処分の同一性が害されないか、相手方の防御上の不利益がないかという観点から個別に判断される。
結論
選択肢6(ア×イ〇ウ×)が正しい。青色申告に対する更正処分では、更正の理由と異なる事実を主張しても処分の同一性を害しない限り許されるためアは誤り、労災保険給付の不支給決定では対象疾病該当性と業務起因性とで要件判断の基礎となる事実関係が異なり差替えが制限されるためイは正しい、情報公開条例に基づく非公開決定については別の非公開事由の追加主張が認められるためウは誤りである。
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出典:法務省「平成28年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
