平成26年 予備試験 短答式 民法 第1問 解説
問題
詐欺又は強迫による意思表示に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合において,相手方がその事実を知っていたときには,その意思表示を取り消すことができるが,第三者が強迫を行った場合においては,相手方がその事実を知らなかったときでも,その意思表示を取り消すことができる。
イ.Aがその所有する不動産をBに売却する旨の契約が締結され,これに基づきAからBへの所有権移転登記がされた場合において,Aが詐欺を理由としてその意思表示を取り消したときには,その旨の登記をしなければ,その取消し後にBからその不動産を買い受けたCに対抗することができないが,Aが強迫を理由としてその意思表示を取り消したときには,その旨の登記をしなくても,その取消し後にBからその不動産を買い受けたCに対抗することができる。
ウ.強迫による意思表示の取消しが認められるためには,表意者が完全に意思の自由を失って意思表示をしたことを要する。
エ.相手方に欺罔された結果,法律行為の要素に錯誤が生じ,その錯誤により意思表示をした場合には,錯誤による意思表示の無効を主張することも,詐欺による意思表示の取消しをすることもできる。
オ.連帯債務者の一人であるAが代物弁済をした後,その代物弁済を詐欺を理由として取り消した場合,他の連帯債務者は,Aの代物弁済が詐欺によるものであることを知らなかったときであっても,債権者に対し,代物弁済による債務の消滅を主張することはできない。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ正解
- ④イ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
詐欺・強迫の異同は、①第三者による場合の取消要件(96条2項は詐欺のみ)、②善意無過失の第三者保護(96条3項も詐欺のみ)という『取消前』の場面で差が出るが、③『取消後』の第三者との関係は詐欺・強迫を問わず対抗問題(177条)として処理される点は共通する。強迫の取消しに意思の自由の完全喪失は不要(完全喪失なら意思表示の不存在=無効)。
結論
誤っているのはイとウであり、選択肢3が正しい。イは強迫取消し後の第三者との関係も登記による対抗問題となる点を見落としており、ウは強迫取消しに『完全な意思の自由喪失』までは不要である点を誤っている。
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出典:法務省「平成26年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
