平成26年 予備試験 短答式 刑法 第5問 解説
問題
過失に関する次の各【見解】についての後記1から5までの各【記述】のうち,誤っているものはどれか。【見 解】A説:過失の本質は,意思を緊張させたならば結果発生を予見することが可能であったにもかかわらず,これを予見しなかったことにある。B説:過失の本質は,社会生活上必要な注意を守らないで,結果回避のための適切な措置を採らなかったことにある。【記 述】
- ①A説の立場からは,いわゆる信頼の原則は,予見可能性が否定される場合の一部を類型化したものと理解することができる。
- ②B説は,過失犯は,行為の責任だけでなく,構成要件該当性と違法性においても故意犯と異なるものであるとの考え方と矛盾しない。
- ③A説に対しては,予見可能性のみで過失を認めると,過失犯の処罰範囲が広がりすぎるとの批判がある。
- ④B説に対しては,「結果回避のための適切な措置」につき,行政取締法規が定める義務に帰着せざるを得ず,刑法上の過失犯が行政取締法規の結果的加重犯となってしまうとの批判がある。
- ⑤A説からは,結果の回避可能性の存在は過失犯の成立において必要ではないことになる。正解
解説
要点
旧過失論(予見可能性説)と新過失論(結果回避義務説)は「過失の本質」の捉え方が異なるだけで、いずれの立場でも結果回避可能性は過失犯成立の前提として必要とされる。
結論
選択肢5が誤り。A説(予見可能性説=旧過失論)は過失の本質を予見可能性に置くが、それは結果回避可能性を不要とする趣旨ではない。予見可能性説であっても、結果を回避できなかった以上は過失犯として処罰する意味がないため、回避可能性は当然に前提とされる要件である。
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出典:法務省「平成26年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
