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平成26年 予備試験 短答式 刑法 第11問 解説

問題

次の【事例】及び各【見解】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,誤っているものはどれか。【事 例】甲は,乙から裁判の証人として請求されてX裁判所から呼出しを受けたところ,証人尋問期日の3日前にその不出頭を懸念した乙から「俺が裁判所まで連れて行くから,証人尋問の日までここにいろ。」と言われ,見張りを付けられてマンションの一室に監禁された。甲は,自己の生命身体に対する危険は感じなかったものの,証人として出廷したくないと思い,同室に放火して騒ぎを起こし,見張りの者が消火に当たっている隙に逃亡しようと考え,同室の壁等に灯油をまいて放火し,同室の一部及びその上階の第三者が住む部屋の一部を焼損させた。【見 解】A説:当該避難行為が「やむを得ずにした行為」でなければ緊急避難は認められないが,当該行為が危難を避けるための一つの方法と認められれば,法益権衡の要件を欠いても過剰避難が成立する。B説:当該避難行為が「やむを得ずにした行為」でなければ緊急避難は認められないが,「やむを得ずにした行為」でなくとも法益権衡の要件を充たしていれば過剰避難が成立し,また,「やむを得ずにした行為」であって,法益権衡の要件を欠く場合にも過剰避難が成立する。C説:当該避難行為が「やむを得ずにした行為」でなければ緊急避難,過剰避難とも認められず,過剰避難は,「やむを得ずにした行為」であって,かつ,法益権衡の要件を欠く場合に成立する。【記 述】
  1. ①【事例】に,更に「事件当時,部屋の窓から逃走するなどして脱出することは可能であった」との事情がある場合,A説からは甲に過剰避難が成立することになる。
  2. ②【事例】に,更に「事件当時,甲が部屋から脱出する手段はほかになかった」との事情がある場合,B説からは甲に過剰避難が成立することになる。
  3. ③【事例】に,更に「事件当時,部屋の窓から逃走するなどして脱出することは可能であった」との事情がある場合,C説からは甲に過剰避難が成立することになる。正解
  4. ④【事例】に,更に「事件当時,部屋の窓から逃走するなどして脱出することは可能であった」との事情がある場合,B説からは甲には緊急避難の成立も過剰避難の成立も認められない。
  5. ⑤【事例】に,更に「事件当時,甲が部屋から脱出する手段はほかになかった」との事情がある場合,C説からは甲に過剰避難が成立することになる。

解説

要点
過剰避難の成否は「補充性(やむを得ずにした行為)」と「法益権衡」のどちらを欠いた場合に成立を認めるかで学説が分かれる。C説は補充性を欠けば緊急避難・過剰避難ともに一切成立しないという最も厳格な立場である点を押さえる。

結論

選択肢3が誤りである。C説は「やむを得ずにした行為」(補充性)を欠く場合には緊急避難・過剰避難のいずれも認めないという立場であり、脱出可能であった(=補充性を欠く)事例ではC説から過剰避難は成立しないのに、選択肢3は「成立する」としているため誤りである。

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出典:法務省「平成26年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。