平成26年 予備試験 短答式 刑法 第10問 解説
問題
賄賂罪についての次の【判旨】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,【判旨】の理解として正しいものはどれか。【判 旨】甲は,A県警察の警部補としてA県警察X警察署地域課に勤務し,犯罪の捜査等の職務に従事していたものであるが,公正証書原本不実記載等の事件につきA県警察Y警察署長に対し告発状を提出していた者から,同事件について,告発状の検討,助言,捜査情報の提供,捜査関係者への働き掛けなどの有利かつ便宜な取り計らいを受けたいとの趣旨の下に供与されるものであることを知りながら,現金の供与を受けたというのである。警察法等の関係法令によれば,A県警察の警察官の犯罪捜査に関する職務権限は,A県警察の管轄区域であるA県の全域に及ぶと解されることなどに照らすと,甲が,X警察署管内の交番に勤務しており,Y警察署刑事課の担当する上記事件の捜査に関与していなかったとしても,甲の上記行為は,その職務に関し賄賂を収受したものであるというべきである。【記 述】
- ①この【判旨】は,X警察署地域課とY警察署刑事課とは一般的職務権限を異にするが,同じA県警察内であり犯罪捜査という点で職務が密接に関連することから,甲が受けた現金の供与も甲の職務に関するものと認めたものである。
- ②この【判旨】は,職務関連性の判断において,甲が所属するA県警察の警察官に対して法令が与えた一般的職務権限に属する職務行為であるか否かを重視している。正解
- ③この【判旨】は,警察官が捜査情報を漏えいすることはそもそも禁じられているので,これが職務行為や職務密接関連行為に該当することはないと考えている。
- ④この【判旨】は,甲が以前Y警察署刑事課に勤務中に扱った事件に関して,X警察署地域課に異動になった後に現金の供与を受けたとしても,供与を受けた時点で公務員である以上収賄罪が成立することを認めたものである。
- ⑤この【判旨】は,当該事件の捜査を担当しているY警察署刑事課所属の警察官への働き掛けは,あっせん収賄罪にいう「あっせん」であり,これが職務行為や職務密接関連行為に該当することはないと考えている。
解説
要点
収賄罪の職務関連性は、公務員が現に担当している具体的事務ではなく、その公務員が法令上有する一般的職務権限に属する行為であれば認められる(一般的職務権限説)。管轄区域内であれば担当外の事件でも職務関連性が肯定される。
結論
選択肢2が正しい。判旨は、甲がA県警察の警察官として法令上有する一般的職務権限(A県全域に及ぶ犯罪捜査権限)に属する行為であるかどうかを基準に職務関連性を判断しており、現に担当していた具体的事件かどうかは問題にしていない。
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出典:法務省「平成26年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
