平成23年 予備試験 短答式 民事訴訟法 第32問 解説
問題
複数当事者訴訟に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.XがYに対して貸金の返還を求める訴えを提起したところ,審理中にYが死亡したため,Yの共同相続人であるZ1及びZ2が訴訟を受継した場合,Z1が死亡しても,Z2との関係では訴訟手続は中断しない。なお,Y,Z1及びZ2に訴訟代理人はいないものとし,また,Z2はZ1の相続人ではないものとする。
イ.XがY及びZに対してYとZの婚姻の取消しを求める訴えを提起した場合,当該訴訟において,裁判所は,弁論を分離することができない。
ウ.Xが,Yの代理人Zとの間でYが所有する甲土地を買い受ける契約を締結したと主張して,Yに対する売買契約に基づく甲土地の所有権移転登記手続請求と,Zに対する無権代理人の責任に基づく損害賠償請求とを併合して訴えを提起し,第一審の審理中に,弁論及び裁判を分離しないでするよう申出をした場合,Zだけが請求を認諾してもその効力を生じない。
エ.甲土地の所有者であるXが,Yが甲土地を無断で占有しているとして,Yに対して,所有権に基づき甲土地の明渡しを求める訴えを提起したところ,当該訴訟の第一審係属中に,Zが,甲土地をXから譲り受けたと主張して,Yに対して甲土地の明渡しを求めて当該訴訟に参加した場合,Yが,Zとの関係で,Yが甲土地を占有していることを認めると,Xとの関係でも同じ事実を認めたものとして扱われる。
オ.一つの交通事故の被害者であるXが,Y1とY2とを共同被告として,共同不法行為に基づく損害賠償請求の訴えを提起し,第一審においてY1及びY2のいずれに対する請求も認容する判決がされた場合,Y1が控訴をすれば,当該訴訟は全体として移審し,第一審判決中のY2に対する請求を認容した部分も確定が遮断される。
- ①ア イ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④ウ オ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
通常共同訴訟には共同訴訟人独立の原則(民訴39条)が働くため、訴訟行為・上訴・判決確定の効果は各共同訴訟人ごとに独立して生じる。同時審判申出共同訴訟(41条)も通常共同訴訟のままであり、弁論・裁判の分離を禁ずるにとどまって合一確定を強制するものではない点に注意。
結論
誤っているのは選択肢4(ウ・オ)である。ウは同時審判申出共同訴訟であっても通常共同訴訟の性質を失わないため請求の認諾の効力は各共同訴訟人ごとに独立して生じ、オは共同不法行為訴訟が通常共同訴訟であるため一方の控訴は他方に対する部分の確定を遮断しない。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「平成23年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
