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平成23年 予備試験 短答式 刑法 第1問 解説

問題

正当防衛に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
  1. ①甲は,乙が甲所有の自動車を盗むのを目撃し,これを追跡したものの見失い,その翌日,窃取された場所から約2キロメートル離れた路上で,乙がその自動車から降りて立ち去ったのを認めた。甲は,乙がすぐに戻って来る様子であったので,直ちにその自動車を運転し,自宅に戻った。この場合,甲には正当防衛が成立する。
  2. ②甲は,散歩中,仲の悪かった乙から大型犬をけしかけられたので,犬から逃げようとして,偶然その場を通り掛かった丙を突き飛ばして走り去った。甲の行為により,丙は転倒して全治約1週間を要する足首捻挫の傷害を負った。この場合,甲には正当防衛が成立する。
  3. ③甲は,乙ら数名の男によって監禁されたが,監禁されて2週間後,たまたま見張りが乙一人になったので,監禁場所から脱出するため,乙の顔面を1回殴打して乙がひるんだ隙にそこから逃げた。この場合,甲には正当防衛が成立する。正解
  4. ④甲は,深夜,路上で,見知らぬ乙から,ナイフを胸元に突き付けられ現金を要求されたので,ナイフを避けるために乙の胸付近を手で押し,走って逃げ出した。甲の行為により,乙は転倒して後頭部を路面に打ち付け,全治約1か月間を要する頭部打撲の傷害を負った。この場合,甲には正当防衛は成立しない。
  5. ⑤甲は,同居していた乙と言い争いをし,乙から「ぶっ殺すぞ。」と怒鳴られたため,身の危険を感じて一旦家を出たが,乙と仲直りをしようと考え直し,乙から暴力を振るわれることがあるかもしれないと思いつつ,家に戻って乙に謝罪した。しかし,甲は,乙に数回顔面を殴られた上,更に殴り続けられそうになったことから憤激し,とっさに乙の脇腹付近を1回蹴り,乙に全治約1か月間を要する肋骨骨折の傷害を負わせた。この場合,甲には正当防衛は成立しない。

解説

要点
正当防衛の成否は「急迫性」「不正の侵害者に対する反撃であること」「防衛の意思」「やむを得ずにした行為(相当性)」を事案ごとに丁寧に当てはめる。侵害を予期していたり自ら招いた事情があっても、それだけで直ちに急迫性が失われるわけではない。

結論

選択肢3が正しい。監禁という継続的な不正の侵害が続いている状況で、見張りの隙をとらえて脱出のために暴行を加えた行為は、急迫性・防衛の意思・相当性のいずれも認められ、正当防衛が成立する。

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出典:法務省「平成23年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。