令和8年 司法試験 短答式 民法 第8問 解説
問題
AがA所有の動産甲をBに寄託している場合に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.動産甲が道路運送車両法により登録を受けている自動車であるときは、Cは、動産甲をBの所有物であると過失なく信じてBから買い、現実の引渡しを受けたとしても、即時取得によりその所有権を取得することができない。
イ.DがBの保管している動産甲を盗み、Eに売った場合において、Eが動産甲をDの所有物であると過失なく信じて現実の引渡しを受けたときは、盗難から2年間が経過していなくても、Aは、Eに対し、動産甲の回復を請求することができない。
ウ.Bが動産甲をFに売り、Fに即時取得が成立したときは、Aは、Fに対し、不当利得を理由として動産甲の返還を請求することができない。
エ.BがGとの間でGのために動産甲に質権を設定する旨の契約を締結した場合は、Gが動産甲をBの所有物であると過失なく信じて現実の引渡しを受けたときであっても、Gは、動産甲について質権を取得しない。
オ.Bが死亡し、その相続人の間で、相続人の一人であるHが動産甲を取得する旨の遺産分割協議が成立した場合において、動産甲がBの相続財産に含まれると過失なく信じていたHが、平穏に、かつ、公然とその占有を開始したときは、Hは、動産甲の所有権を取得する。
- ①ア ウ正解
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
即時取得(民法192条)は、登録制度という別個の公示方法が存在する登録自動車には適用されない(最判昭62.4.24)。盗品については即時取得が成立しても193条により2年間は回復請求ができ、質権も192条の「行使する権利」に含まれるので即時取得の対象となる。相続・遺産分割は192条の「取引行為」に当たらない。即時取得が成立すれば取得者は法律上の原因に基づいて所有権を取得するから、原所有者は不当利得返還請求もできない。
結論
正しいのはアとウであり、選択肢1が正解である。ア(登録自動車には即時取得の適用がない)、ウ(即時取得が成立すれば原所有者は不当利得返還請求もできない)を正確に押さえていれば解ける問題である。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
