令和8年 司法試験 短答式 民法 第5問 解説
問題
取得時効に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.相続回復請求の相手方となるべき者が相続財産の占有を継続し、取得時効の要件を満たしても、真正な相続人の相続回復請求権の消滅時効が完成するまでは、当該相続財産の所有権を時効により取得することはできない。
イ.自己の所有物であっても、時効取得の対象となる。
ウ.建物の所有権を時効により取得した者は、当該建物の占有を開始した後時効完成までの間に第三者が当該建物の一部を損傷させたときであっても、そのことを原因として、当該第三者に対して、不法行為に基づく損害賠償を請求することができない。
エ.被相続人の占有により不動産の取得時効が完成したときは、その共同相続人の一人は、自己の相続分の範囲を超えて、当該不動産の全部について取得時効を援用することができる。
オ.公共用財産が長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され、公共用財産としての形態、機能を喪失し、もはやこれを公共用財産として維持すべき理由がなくなったときは、当該公共用財産について、取得時効の成立は妨げられない。
- ①ア ウ
- ②ア オ
- ③イ エ
- ④イ オ正解
- ⑤ウ エ
解説
要点
取得時効は他の制度(相続回復請求権の消滅時効、共有・相続分、遡及効)と絡む論点が頻出であり、それぞれ独立の判例規範を押さえておく必要がある。
結論
正しいのはイとオであり、選択肢4が正解である。自己の所有物も時効取得の対象となり得るという判例(イ)と、公共用財産も黙示の公用廃止があれば取得時効が成立し得るという判例(オ)が、判例の趣旨に合致する。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
