令和8年 司法試験 短答式 民法 第29問 解説
問題
不法行為に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.責任無能力者Aが第三者Bに損害を加えた場合において、Aを監督する法定の義務を負う者であるCがその義務を怠らなかったときは、Cは、AがBに加えた損害を賠償する責任を負わない。
イ.精神上の障害による責任無能力者Aが第三者Bに損害を加えた場合において、Aと同居するAの配偶者Cは、Aを監督する法定の義務を負う者に当たり、AがBに加えた損害を賠償する責任を負う。
ウ.責任無能力者Aが第三者Bに損害を加えた場合において、CがAを監督する法定の義務を負う者に当たらないときであっても、その監督義務を引き受けたとみるべき特段の事情が認められるときは、Cは、Aを監督する法定の義務を負う者に準ずべき者として、AがBに加えた損害を賠償する責任を負う。
エ.AがBの事業の執行について第三者Cに損害を加えた場合において、BがAを事実上指揮監督しているにすぎず、AとBの間に契約が存在しないときは、Bは、AがCに加えた損害を賠償する責任を負わない。
オ.AがBの事業の執行について第三者Cに損害を加えた場合において、AがCに加えた損害についてBが使用者責任を負うときは、Aも、Cに対してその損害を賠償する責任を負う。
- ①ア イ
- ②ア オ
- ③イ エ正解
- ④ウ エ
- ⑤ウ オ
解説
要点
714条の法定監督義務者該当性は身分関係のみでは決まらず、監督の現実性・可能性・容易性等を総合衡量して判断される(JR東海事件)。715条の使用者性は契約の有無でなく実質的指揮監督関係の有無で決まり、使用者責任と被用者本人の709条責任は併存する。
結論
誤っているのはイとエであり、選択肢3が正しい。イは精神障害者の配偶者であることだけから当然に法定監督義務者に当たるとした点が判例に反し、エは使用者責任の成否を契約の有無で決めている点が判例に反する。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
