令和8年 司法試験 短答式 民法 第23問 解説
問題
債務者Aが債権者Bに対して、同種の給付を目的とする債務α、債務βを負っている場合において、Aが弁済としてした給付が全ての債務を消滅させるものではなかった。この場合にAの給付がいずれの債務に充当されるかに関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.AとBの間で債務α、債務βの順に充当する旨の合意があるときは、Aが給付をする際に債務βから充当する旨の指定をしたとしても、その給付は、債務α、債務βの順に充当される。
イ.いずれの債務も金銭債務であって利息が発生している場合において、弁済の充当の順序に関する合意がなく、Aが給付をする際に債務αから充当する旨の指定をしたときは、その給付は、債務αの費用、利息、元本の順に充当され、その後に債務βの費用、利息、元本の順に充当される。
ウ.Aが給付をする際にAが債務αから充当する旨の指定をしたのに対し、Bが直ちに異議を述べたときは、Aがした弁済の充当の指定は、その効力を生じない。
エ.弁済の充当の順序に関する合意がなく、かつ、Aが給付をする際にAとBの双方が弁済の充当の指定をしなかった場合においては、債務α、債務βの順に弁済期が到来したときであっても、債務βの方がAにとって弁済の利益が多いときは、その給付は、債務βから充当される。
オ.弁済の充当の順序に関する合意がなく、かつ、Aが給付をする際にAとBの双方が弁済の充当の指定をしなかった場合において、いずれの債務についても弁済期が同時であり、かつ、いずれの債務についても弁済の利益が等しいときは、その給付は、債務の額に応じて債務α及び債務βに充当される。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ正解
- ④イ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
複数債務の充当は①合意充当(490条)>②指定充当(488条1項・2項)>③法定充当(488条4項)の順で決まる。元本・利息・費用がある場合は489条1項により『費用→利息→元本』の順で充当し、各段階内の債務間の割付けに488条の指定・法定基準を準用する(債務ごとに費用・利息・元本を先に片付けるのではない)。指定権は弁済者に無条件に認められ、異議権は受領者が指定した場合(488条2項ただし書)にのみ問題となる。
結論
誤っているのはイとウであり、選択肢3が正しい。イは元本・利息・費用がある場合の充当の順序(489条の構造)を誤って説明しており、ウは弁済者Aの指定充当(488条1項)に受領者Bの異議権はないのにこれを認めた点で誤っている。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
