令和8年 司法試験 短答式 民法 第16問 解説
問題
Aに対し、Bは1000万円の債権を、Cは2000万円の債権を、Dは3000万円の債権を有しており、これらの債権を被担保債権として、A所有の甲土地に、Bは第一順位の抵当権の設定を、Cは第二順位の抵当権の設定を、Dは第三順位の抵当権の設定をそれぞれ受け、いずれも抵当権設定登記を備えた。また、Aに対して250万円の債権を有する一般債権者Eがいる。この場合において、甲土地の競売により4000万円が配当されることになったときに関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。なお、各債権者が有する債権の利息及び損害金並びに執行費用は考慮しないものとする。
ア.競売の申立て前に、BがEの利益のために抵当権を放棄し、その旨の登記が具備されたときは、Bに800万円、Cに2000万円、Dに1000万円、Eに200万円が配当される。
イ.競売の申立て前に、BがEの利益のために抵当権を譲渡し、その旨の登記が具備されたときは、Cに2000万円、Dに1750万円、Eに250万円が配当される。
ウ.競売の申立て前に、抵当権の順位が変更され、Dの抵当権が第一順位、Bの抵当権が第二順位、Cの抵当権が第三順位である旨の登記が具備されたときは、Bに1000万円、Dに3000万円が配当される。
エ.競売の申立て前に、BがDの利益のために抵当権の順位を譲渡し、その旨の登記が具備されたときは、Cに2000万円、Dに2000万円が配当される。
オ.競売の申立て前に、BがDの利益のために抵当権の順位を放棄し、その旨の登記が具備されたときは、Cに1000万円、Dに3000万円が配当される。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
民法376条の抵当権の処分(放棄・譲渡・順位の放棄・順位の譲渡)は、処分者と受益者の間で本来の配当額を再分配する制度であり、両者以外の抵当権者の配当額には影響しない。他方、順位の変更(374条)は順位そのものが入れ替わるため他の抵当権者の配当も変動する。C(第2順位)の配当額が動いているかどうかで誤りを見抜ける。
結論
誤っている記述はイとオであり、選択肢4が正解である。抵当権の処分(放棄・譲渡・順位の放棄・順位の譲渡)は、処分者と受益者の間だけで配当額を融通するものであり、両者以外の抵当権者の配当額には影響しない。イとオはこの点を誤り、当事者でないDやCの配当額まで変動させている。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
