令和8年 司法試験 短答式 民法 第10問 解説
問題
所有権の取得に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.所有者のない不動産は、所有の意思をもって占有することによって、その占有者がその所有権を取得する。
イ.Aの所有する船舶(時価500万円)に、Bの所有する発動機(時価500万円)が取り付けられた場合において、損傷しなければこれらを分離することができず、かつ、その船舶とその発動機について主従の区別をすることができないときは、発動機付きの船舶は、1対1の割合でAとBが共有する。
ウ.建物の賃借人が建物の増築をした場合において、その増築部分について構造上及び利用上の独立性が認められるときは、その増築について建物の所有者である賃貸人の了承を得ていなくても、その増築部分の所有権は、賃借人に帰属する。
エ.Aの所有する液体甲(50立方メートル)が、Bの所有する液体乙(1立方メートル)と混和して識別することができなくなり、液体丙(51立方メートル)となった場合において、Aが液体丙の所有権を取得したときは、BはAに対し、不当利得の規定に従い、その償金を請求することができる。
オ.主従の区別をすることができない甲建物と乙建物にそれぞれ抵当権が設定されていた場合において、これらの建物が工事により一棟の丙建物となったときは、それぞれの抵当権は、丙建物のうち、甲建物と乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続する。
- ①ア イ
- ②ア ウ正解
- ③イ エ
- ④ウ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
無主の不動産は先占ではなく国庫帰属(民法239条2項)であること、また賃借人による増築部分の所有権帰属は独立性の有無だけでなく賃貸人の承諾という「権原」の有無で決まること(民法242条ただし書)を押さえる。
結論
ア・ウが判例・条文の趣旨に照らして誤りであり、選択肢2が正解である。アは無主の不動産の帰属に関する条文を誤って動産の先占の規律に当てはめており、ウは増築部分の独立性のみで所有権帰属を判断し、賃貸人の承諾(権原)の要否を無視している点で誤っている。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
