令和8年 司法試験 短答式 民法 第11問 解説
問題
A、B及びCが各3分の1の割合で甲建物を共有している場合に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.台風により甲建物の窓ガラスの一部が破損し、Aがその修繕のため工事費用3万円を負担したときは、Aは、B及びCに対し、その工事費用について各1万円を負担するよう請求することができる。
イ.Aの所在を知ることができないときは、裁判所は、B及びCの請求により、B及びCにAの共有持分の各2分の1を取得させる旨の裁判をすることができる。
ウ.AがB及びCに無断でDに依頼して甲建物の形状の著しい変更を伴う増改築工事をしようとしたときは、B又はCは、単独で、Dに対し、その工事の禁止を請求することができる。
エ.A、B及びCが甲建物の賃貸を禁ずる旨を決定した場合において、甲建物について選任された共有物の管理者であるEが、その決定に違反して甲建物を期間を3年と定めてFに賃貸したときは、Fは、その決定がされた事実を知らなかったとしても、A、B及びCに対し、甲建物の賃借権を主張することができない。
オ.Aの共有持分についてAからGへ不実の持分移転登記がされたときであっても、B又はCは、単独で、Gに対し、その持分移転登記の抹消登記手続を請求することができない。
- ①ア イ
- ②ア ウ
- ③イ エ
- ④ウ オ
- ⑤エ オ正解
解説
要点
共有物の管理者が共有者の決定に違反してした行為は、善意の第三者には対抗できない(民法252条の2第4項ただし書)。また、共有持分についての不実登記の抹消は、各共有者が単独で請求できる(最判平成15年7月11日。持分権に基づく妨害排除請求として構成するのが判例)。
結論
誤っている記述はエとオであり、選択肢5が正しい。エは管理者の決定違反行為について善意の第三者には対抗できないという条文の効果を無視しており、オは共有持分の不実登記の抹消請求を単独でできないとする点で判例に反する。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
