令和8年 司法試験 短答式 刑法 第2問 解説
問題
1から5までの各記述は、甲の占有する動産を窃取した疑いで警察官の取調べを受けた被疑者の供述であるが、これらを判例の立場に従って検討した場合、その供述の内容が窃盗罪の成立を否定する主張となるものを2個選びなさい。
1.「この自転車は、駅前の有料駐輪場に駐輪されていたが、自宅まで歩いて帰るのが面倒だったので、自宅近くで乗り捨てようと考えて、自宅まで約30分の道のりを乗って帰った。」
2.「この自動車は、駐車場にエンジンキーが付いた状態で駐車されていたのを見付け、半日くらいしたら元の場所に戻すつもりで、駐車場から発進させ、Ⅹ市内を乗り回していた。」
3.「この社員証は、上司である甲が会社で保管していたものであることを知っていたが、甲を困らせて日頃のうっぷんを晴らそうと思い、会社の自分のロッカー内に隠しておいた。」
4.「この自転車は、甲に貸していたものだが、返却期限が過ぎているのに甲が返してくれないので、深夜、甲がいない隙に甲の自宅敷地内にある車庫のシャッターを壊し、そこに駐輪されていたところを、甲に無断で持ち帰った。」
5.「この自転車は、雑草の生い茂った空き地に捨ててあり、誰の物でもないと思ったので、通勤で使うために自宅に持ち帰った。」
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5正解
- ⑩4と5
解説
要点
窃盗罪の成否は「他人の占有する財物」該当性の認識(構成要件的故意)と「不法領得の意思」(権利者排除意思+利用処分意思)の両面から検討する。単に隠匿・毀損する意図しかない場合や、そもそも他人の占有物と認識していない場合は窃盗罪の成立が否定される方向に働く。
結論
窃盗罪の成立を否定する方向の主張は記述3と5であり、選択肢9(3と5)が正しい。3は財物を隠匿する目的にとどまり利用処分意思を欠くため不法領得の意思が否定される主張、5はそもそも他人の占有物であるとの認識を欠く(客体該当性・故意を否定する)主張である。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
