令和8年 司法試験 短答式 刑法 第1問オ 解説
問題
アからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し、正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。
オ.甲ら6名は、マンションの居室内で、Aに対し、約3時間にわたり間断なく顔面、腹部等を手拳で多数回殴打した。Aは、隙を見て同マンション外に逃走したが、甲らに対し極度の恐怖感を抱き、逃走を開始してから約10分後、甲らによる追跡から逃れるため、同マンション付近にある高速道路にとっさに進入したところ、本線上を走行してきた乙運転の自動車にれき過されて死亡した。この場合、甲らがAを多数回殴打した行為とAの死亡との間には因果関係が認められる。
- ①正しい正解
- ②誤っている
解説
要点
実行行為後に被害者自身の行為が介在しても、その行為が実行行為によって心理的に強いられ・誘発されたものであれば、実行行為の危険が結果に現実化したといえ因果関係は否定されない。高速道路進入事案では、進入行為自体は極めて危険でも、暴行から逃れる方法として『著しく不自然、不相当』といえるかを基準に判断する。
結論
甲らの暴行とAの死亡との間には因果関係が認められ、選択肢1が正しい。長時間・激しい暴行により被害者に極度の恐怖感を抱かせ、その結果として高速道路への進入という行動を取らせたものであり、被害者の行動は暴行から逃れる方法として著しく不自然・不相当とはいえないため、暴行の危険性が死亡結果へと現実化したと評価できるからである。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
