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令和8年 司法試験 短答式 刑法 第9問 解説

令8司法 第9問刑法文書偽造罪の過去問

問題

1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものを2個選びなさい。 1.タクシー運転手である甲が、警察官から自動車運転免許証の提示を求められれば提示するつもりで、偽造された自動車運転免許証を携帯して自動車の運転を開始した場合、それだけでは甲に偽造公文書行使罪は成立しない。 2.甲が、身分証明に使おうと考え、A県公安委員会が発行したXの自動車運転免許証に貼付されている写真を甲自身のものに貼り替え、生年月日欄も甲自身のものに改ざんした場合、甲に公文書偽造罪は成立せず、公文書変造罪が成立する。 3.学校法人Xの理事である甲が、Xの理事会議事録についてその作成権限が付与されていなかったにもかかわらず、行使の目的で、Xの理事会議事録に、自己を理事長に選任し、かつ、自己を議事録署名人とすることを可決したなどと虚偽の内容を記載し、その末尾に「X理事会議事録署名人甲」と記載した場合、甲に私文書偽造罪が成立する。 4.指名手配中の甲が、素性が明らかになることを免れるため、偽名を用いて就職しようと考え、行使の目的で、氏名欄に偽名であるXと記載した上、真実と異なる生年月日、住所及び経歴を記載した履歴書を作成し、その顔写真欄に甲の顔写真を貼付した場合、甲に私文書偽造罪が成立する。 5.本邦に密入国した甲が、外国人の新規登録申請をしていないにもかかわらず、X名義で発行された外国人登録証明書を他から取得し、X名義で登録事項確認申請を繰り返すことにより、自らが外国人登録証明書のXその人であるかのように装って本邦に在留を続け、Xという名称を永年自己の氏名として公然使用した結果、それが相当広範囲に甲を指称するものとして定着していた状況において、行使の目的で、X名義の再入国許可申請書を作成した場合、甲に私文書偽造罪は成立しない。 ※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
  1. ①1と2
  2. ②1と3
  3. ③1と4
  4. ④1と5
  5. ⑤2と3
  6. ⑥2と4
  7. ⑦2と5正解
  8. ⑧3と4
  9. ⑨3と5
  10. ⑩4と5

解説

要点
文書偽造罪では、①名義人と作成者の人格の同一性に齟齬があるか(有形偽造の成否)と、②既存文書への改変が本質的部分に及び新たな文書を作出したといえるか(偽造と変造の区別)を区別して検討する。免許証の写真・生年月日の改変は本質的部分の改変として「変造」ではなく「偽造」となり、通称名が永年使用され定着していても、本人名義でしか作成できない文書については私文書偽造罪が成立する(最判昭59.2.17)。

結論

誤っている記述は2と5であり、選択肢7が正解である。2は、免許証の写真貼替え・生年月日の改ざんは文書の本質的部分の改変として判例上「変造」ではなく「偽造」に当たる点で誤り、5は、通称名が永年使用され定着していても、本人以外の名義による作成が許されない文書については私文書偽造罪が成立するとした判例(最判昭59.2.17)に反する点で誤りである。

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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。