令和8年 司法試験 短答式 刑法 第8問 解説
問題
学生A及びBは、【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑪までの( )内に【語句群】から適切なものを入れた場合、正しいものの組合せは1から5までのうちどれか。なお、①から⑪までの( )内には、それぞれ異なるものが入る。【会 話】学生A.毀棄及び隠匿の罪にいう「毀棄」、「損壊」の意義について、私は、(①)と考えます。その理由は、(②)です。私の立場からは、隠匿は毀棄・損壊に(③)ので、信書隠匿罪の規定は(④)であると考えます。学生B.Aさんの見解に対しては、(⑤)があり、その批判は的を射ていると思います。私は、毀棄及び隠匿の罪にいう「毀棄」、「損壊」の意義について、(⑥)と考えます。その理由は、(⑦)です。また、私の立場からは、隠匿は毀棄・損壊に(⑧)ので、信書隠匿罪の規定は、(⑨)であると考えます。学生A.Bさんの見解に対しては、(⑩)があり、その批判の方が当たっていると思います。例えば、Bさんの見解によれば、飲食店の食器に放尿して心理的に利用困難にした場合、器物損壊罪が(⑪)ことになりますが、そのような結論でよいのでしょうか。学生B.私は、そのような結論は妥当だと考えます。私のように考えた方が、判例の立場とも整合します。【語句群】a.対象物の効用を害する一切の行為をいうb.対象物の全部又は一部を物理的に破壊・毀損することをいうc.毀棄・損壊がもたらす財物侵害の本質は、対象物が具備する経済的価値・使用価値などの効用が不利益に変更される点にあるので、物理的な破壊・毀損のみに限定する理由はないからd.毀棄・損壊概念の本来の意義は、対象物の全部又は一部を物理的に破壊・毀損し、その結果としてその対象物の効用を害することにあるからe.含まれる f.含まれないg.信書の隠匿のみを特に軽く処罰する、器物損壊罪の減軽規定h.信書についてのみ隠匿を特に処罰する、器物損壊罪の拡張規定i.物理的な破壊・毀損によらずに物の効用を害する行為を一切不可罰にすることになり、処罰範囲が狭きに失するとの批判j.毀棄・損壊概念の日常用語的意味からの隔たりが大きく、処罰範囲を不当に拡大する危険性を内在させているとの批判k.成立する l.成立しない
- ①①a ③e ⑥b ⑨g
- ②①b ⑤j ⑥a ⑩i
- ③②c ④g ⑦d ⑩j
- ④②d ④h ⑦c ⑪k正解
- ⑤③f ⑤i ⑧e ⑨h
解説
要点
毀棄・損壊の意義について狭義説(物理的損壊説)と広義説(効用侵害説)のどちらを採るかにより、隠匿が毀棄・損壊に含まれるか、信書隠匿罪(263条)が器物損壊罪の「拡張規定」か「減軽規定」かの説明が連動して変わる、という論理構造を押さえること。
結論
選択肢4(②d ④h ⑦c ⑪k)が正しい。学生Aは物理的破壊・毀損を要求する狭義説(①b)に立ち、その理由はd、隠匿は毀棄・損壊に含まれず(③f)、信書隠匿罪は器物損壊罪の対象を広げる拡張規定(④h)と説明する。これに対し学生Bは効用侵害説(広義説、⑥a)に立ち、理由はc、隠匿も含まれ(⑧e)、信書隠匿罪は減軽規定(⑨g)と説明し、放尿事例では器物損壊罪が成立する(⑪k)とする。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
