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令和7年 司法試験 短答式 憲法 第8問 解説

問題

財産権の制限と損失補償に関する次のアからウまでの各記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。 ア.憲法第29条は私有財産制度を保障しているのみでなく、社会的経済的活動の基礎をなす国民の個々の財産権につきこれを基本的人権として保障するところ、社会全体の利益を考慮して財産権に対し制約を加える必要性が増大するに至ったため、立法府は、公共の福祉に適合する限り財産権について規制を加えることができる。 イ.森林法事件判決(最高裁判所昭和62年4月22日大法廷判決、民集41巻3号408頁)は、共有森林の分割請求権を制限する森林法の規定は、森林の細分化を防止し、森林経営の安定、森林の保続培養と生産力の増進を図り、もって社会生活における安全の保障や秩序の維持等に資するという消極的目的のための制限であるとした上で、当該規定について、この目的のために必要性と合理性を肯定するには足らないから違憲であると判断した。 ウ.財産権に対し一般的に当然に受忍すべき範囲を超えて制限を加える法律に損失補償に関する規定がない場合、当該制限を受けた者が憲法第29条第3項の正当な補償を請求する根拠を欠くから、裁判所は、当該制限規定を無効とし、立法者に対して、補償規定を整備するか、当該制限を断念するかの選択を委ねることになる。
  1. ①ア○ イ○ ウ○
  2. ②ア○ イ○ ウ×
  3. ③ア○ イ× ウ○
  4. ④ア○ イ× ウ×正解
  5. ⑤ア× イ○ ウ○
  6. ⑥ア× イ○ ウ×
  7. ⑦ア× イ× ウ○
  8. ⑧ア× イ× ウ×

解説

要点
森林法違憲判決が示した立法目的(森林の細分化防止→森林経営の安定→保続培養・生産力の増進→国民経済の発展)を正確に押さえること、補償規定を欠く法律でも憲法29条3項を直接根拠に補償請求し得る(河川附近地制限令事件)ことを押さえる。

結論

ア○イ×ウ×の組合せである選択肢4が正しい。アは財産権規制に関する判例の一般論と合致し、イは森林法違憲判決が示した立法目的の内容と異なる記述であり、ウは補償規定がなくても憲法29条3項を直接根拠に補償請求し得るとする判例の立場と矛盾する。

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出典:法務省「令和7年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。